転職活動で失敗しないために~「ホワイト企業」の特徴と見分け方のポイントは?

転職活動をはじめると、応募する会社がホワイト企業なのかブラック企業なのか、気になるものです。

「次こそは働きやすいホワイト企業がいい!」

「ホワイト企業はどうやって見分けたらいいの?」

今回は、ホワイト企業の特徴と見分け方のポイントを紹介します

社内環境や待遇が良い職場で、充実した働き方を実現するためにぜひご活用下さい。

ホワイト企業の特徴

多くの人が「働きやすい」と感じるホワイト企業には、どんな特徴があるのでしょうか?

残業時間が少なく、有給休暇を取りやすい

ホワイト企業の大きな特徴は、残業時間が少なく有給休暇を取りやすいことです。

仕事とプライベートが両立しやすく、メリハリをつけて効率よく仕事に打ち込めるでしょう。残業を事前申告制にしていたり、ノー残業デーを実施していたり、残業が少ない企業では様々な取り組みをしていることが多いので、面接の際に確認しましょう。

求人票に記載されている平均残業時間や有給休暇取得日数は、職種によって差があることも考えられます。現在働いている人・過去に働いていた人のリアルな意見を、SNSや口コミサイトで確認するのも一つの方法です。ただし、あくまでも個人的な意見であるため、安易に鵜呑みにするのではなく、総合的に判断しましょう

給料が安定していて、福利厚生が充実している

ホワイト企業は業績が安定していて、その成果を従業員に還元するため、給料が高水準で残業代や賞与もしっかり支給されるケースがほとんどです

福利厚生は、従業員が働きやすい環境を企業が作る努力をしているかを判断する一つの目安になります。社会保険制度(雇用保険、健康保険、労災保険、厚生年金保険など)はもちろん、通勤手当、住宅手当、退職金制度などの福利厚生が充実していることも、ホワイト企業の特徴です

離職率が低い

大卒新入社員の3年以内の離職率は約3割とも言われていますが、ホワイト企業と呼ばれる会社では、離職率が低いことも大きな特徴です

令和4年の労働者全体の離職率は15.0%ですので、企業が働きやすい環境作りに注力しているか、この数値を一つの判断材料にするとよいでしょう。企業の詳しい離職率が知りたければ、就職四季報などの信頼できるデータを参考にしましょう。

ライフステージの変化に対応しやすい環境が整っている

ホワイト企業は、結婚・出産・子育て・介護といったライフステージの変化があっても、働き続けられる環境が整っているという特徴もあります

産休・育休制度はもちろん、テレワーク、時短勤務、フレックス勤務、託児所の設置など、ライフステージの変化に対応するための制度や取り組みが実施されているか注目しましょう。そういった制度や取り組みを実施している企業は、男性の育休取得率が高く、女性の役職者が多い傾向があります。

研修制度が整っている

ホワイト企業では従業員に長く働いてもらうことを前提にしているため、研修制度が整っていることが多いです。入社時の研修はもちろん、入社後もスキルアップできるような研修が準備されています。一例として、次のような研修が挙げられます。

・新卒社員/中途社員向け研修

・OAスキルアップ研修

・情報セキュリティ研修

・コンプライアンス研修

・リーダーシップ研修

採用した人材を育てるには大きなコストが発生します。研修制度が整っているということは、コストをかけてでも長期的に従業員を育てようという、企業の期待の表れと言えるでしょう。

ホワイト企業の見分け方~3つのポイント

ここからは、ホワイト企業の見分け方のポイントを3つ紹介します。

当てはまるからと言って必ずしもホワイト企業というわけではありませんが、一つの判断材料としてご活用下さい。

1.求人票が頻繁に出ていないか?

まずは、求人票が頻繁に出ていないか確認しましょう。

求人票が頻繁に出ている企業は、いつも人手不足の可能性があります。その理由は、会社が継続して大きく成長している場合と、離職率が高く人材が定着しない場合の2つが考えられます。

それらを見分ける方法の一つとして、その企業の業績の推移を確認しましょう。「急成長をしているから人手が足りなさそうだ」、「業績はそれほど良くないのに、いつも求人募集している…もしかしたらブラック企業かもしれない」というように、一つの判断材料になるかもしれません。

2.社内の雰囲気はよさそうか?

面接や職場見学など、社内の様子をうかがえる機会があれば、働いている人達の様子に目を向けましょう。

社内のコミュニケーションが活発か、働いている人たちに活気があるか、身なりが整っているかなど、自分がそこで働く姿を想像しながら確認するとよいでしょう

3.優良企業認定を取得しているか?

厚生労働省や経済産業省が実施しているいくつかの優良企業認定についても注目しましょう。

優良企業認定を受けるということは、国から「優良企業である」とお墨付きをもらっているようなものです。必ずしも自分にとって働きやすい企業だとは限りませんが、一つの目安にはなるかもしれません。

安全衛生優良企業認定(ホワイトマーク)

安全衛生優良企業認定(ホワイトマーク)とは、従業員の安全や健康に対する取り組みを積極的に行っている企業を、厚生労働省が認定する制度です

下記をはじめとする約80もの厳しい基準をクリアした企業だけが受けられる、いわば「ホワイト企業の証」とも言えます。

・過去3年間労働安全衛生関連の重大な法違反がない

・労働者の健康保持増進やメンタルヘルス、過重労働防止への対策など幅広い分野で積極的に取組を実施している

(参考)厚生労働省:職場のあんぜんサイト

なでしこ銘柄

女性活躍推進に対して優れた取り組みを実施する上場企業を対象に、東京証券取引所と経済産業省が認定する制度です。子育て支援への取り組みや女性管理職の割合など、女性が働き続けられる環境が整っているかの目安になるでしょう。

また今年度より、「共働き・共育てを可能にする男女問わない両立支援」に関する取り組みに特に優れた企業が、新たに「Nextなでしこ 共働き・共育て支援企業」として選定されます。選定された企業のレベルの高い取り組みを研究することで、自分にとってのホワイト企業が見えてくるかもしれません。

(参考)経済産業省:女性活躍に優れた上場企業を選定「なでしこ銘柄」

ユースエール認定制度

ユースエールは若手社員の採用や教育を積極的に行い、雇用管理に優れた中小企業への認定制度です。

離職率が20%以下、月平均所定外労働時間の上限が守られ、人材育成の計画も公表されるため、若手社員が安心して成長できる環境が整っている企業だと言えるでしょう。

(参考)厚生労働省:ユースエール認定制度

まとめ

今回ホワイト企業の特徴や見分け方を紹介しましたが、残業が少なく、休みが取りやすいホワイト企業に入社しても、仕事の面白さややりがいを感じられないのでは、その転職は成功とは言えないのかもしれません。

自分らしい働き方を実現するためには、キャリアにおいて最も大切にしたいことは何かをはっきりさせた上で、「自分に合ったホワイト企業」を見つけることが大切なのではないでしょうか。

■出典・参考

厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」

https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177553_00006.html

https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177553_00005.html

厚生労働省「令和4年雇用動向調査結果の概況」

https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/23-2/dl/gaikyou.pdf

厚生労働省「安全衛生優良企業公表制度」https://anzeninfo.mhlw.go.jp/shindan/shindan_index.html

経済産業省「女性活躍に優れた上場企業を選定 なでしこ銘柄」

https://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/diversity/nadeshiko.html

厚生労働省「ユースエール認定制度」

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000100266.html