こんにちは!いよいよ4月です。
新プロジェクトが発足されたり、異動や転職をして、新たなスタートを切る方もいる中で、今年度から新入社員の教育担当を任されている方もいるのではないでしょうか。
この記事では、新入社員の教育係を任された方が、
「新入社員が心身共に健康的に働き続けられるようにサポートできる」
「新入社員が求める先輩後輩関係を築くことができる」
そんなヒントになるように作成しております。
新入社員と良好な関係を築き、自身も気持ちよく働くことができるようにぜひご活用ください。
1.新入社員世代に多い傾向
生きてきた時代背景・環境が異なれば、価値観が異なるのは当たり前です。「私の時代はこうだったのに…」という言葉は、先輩・上司になると誰もが感じることがあると思います。ですが、自分が先輩・上司から言われたら嫌だと感じる言葉ではないでしょうか。
そうならないために、まずは新入社員の考え方の傾向を知ることが大切です。東京仕事センターが実施したアンケート調査から、新入社員には「給与も大事だが、自己成長も叶えたい」「ワークライフバランスを整えたい」「職場の人間関係を特に重視したい」という傾向があることがわかりました。
1.1 自己成長
働き方が多様化し、新入社員を始めとした20代の社会人は、将来を見据えて可能性を広げたいと考えています。そのために自己成長は必要不可欠と捉え、仕事の後に副業や英会話を習う方も少なくありません。
昨今、ハラスメントを理由に教育方法について悩まれる先輩・上司も多いと予想されますが、新入社員が求める形の教育体制が整っていないと、「ここでは成長できない」と早々に判断されてしまう可能性があります。
今一度自社の研修やOJTについて、確認することをおすすめします。
1.2 ワークライフバランス
今年度の新入社員は「働き方改革」という言葉が浸透した状況で就活をしています。その影響もあってか、東京仕事センターの「仕事とプライベートどちらを優先するか」という旨のアンケートでは、新入社員はプライベート重視の傾向にあるとわかりました。
加えて、子育て支援に力を入れている企業が取得している「くるみん」、健康経営に注力している会社が取得している「健康経営優良法人」などの獲得に着目して入社を決めるケースも増えています。
長時間残業や休日出勤、会社の飲み会等にプライベートの時間が割かれると「長く働き続けられない」と思われてしまうかもしれません。個々人が大切にしたい価値観を守りながら、高いパフォーマンスを出してもらうにはどうしたらよいかを考えながら指導計画を練っていくとよいでしょう。
1.3 人間関係
3つ目は、「人間関係」です。
正社員として仕事を選ぶ際に重視しているポイントに関しても、1位「仕事内容」、2位「勤務時間・休日」に次いで、3位に「職場の人間関係」が入ってきています。
逆を言えば、どんなに労働条件が良くても、人間関係が悪い職場に新入社員は入社したいと思わないということです。詳しくは「3.新入社員の早期退職の理由と対策」にてご説明します。優秀な人材確保のためにも、新入社員の性格を見極めた対応が必要です。
2.新入社員は何タイプ?3つのタイプ別教育のコツ
新入社員の性格にはもちろん違いがありますが、仕事への取り組み方から「仕事における傾向」を把握することができます。ここでは3つのタイプをご紹介します。ただし、誰もが「こういう人間」とカテゴライズされると嫌な気持になるので、あくまで参考にすることに留めておきましょう。
2.1 指示待ち型
話すことが苦手で受け身な性格に多いのは指示待ち型といえます。指示されたことは確実にこなせるが、自発的に仕事を生み出すことができないタイプです。
具体的な指示が無いと動けないのも特徴です。このような新入社員の場合は、今行っている仕事の目的や目標を確認していき、少しずつ自分で考えて行動できるようにサポートすると良いでしょう。
2.2 リスク回避型
慎重な性格に多いのがリスク回避型です。失敗することが怖いために、行動が保守的になり、質問が多いタイプです。このような社員には、リスクを見越して慎重になることを褒めながら、ミスをしたとしても先輩や上司がフォローすると伝えることが大切です。安心してチャレンジできる環境を整えると、本来の力を発揮してくれるようになります。
2.3 自分基準型
行動力がある性格に多いのが自分基準型です。アグレッシブで前向きですが、協調性に欠け人の意見を聞かない傾向があるタイプです。本人の意見を否定するとモチベーションが下がりがちで、教育係として手を焼くイメージがあるかもしれませんが、活動的で周りを巻き込む力があります。このような社員には、アイデアがあることを褒めつつも、別の視点から冷静にとらえられるように促すと良いでしょう。
3.新入社員の早期退職の理由と対策
中小企業に対して東京しごとセンターが実施したアンケート「29歳以下の社員が早期離職する最大の理由」の結果として、一番多かったのが「人間関係への不満」でした。
つまり、給与や働き方、仕事内容に満足していたとしても、人間関係のストレスにより退職する社員がいるということです。教育係の社員は新入社員にとって一番身近な先輩になるため、特にコミュニケーションの取り方は重要です。
注意しなければいけないのは、ワークライフバランスを大切にする傾向がある社員にとっては、「先輩社員や上司と必要以上に仲良くなりたいわけではない」ということです。あくまで仕事中に程よい距離感を持ちつつ、質問したいときにできる、話したいときに話すことができる雰囲気や機会を作ることが大切です。
また、教育係を任された社員の価値観だけで新入社員を判断するのではなく、チームで新入社員を見守り、しっかり向き合う姿勢をみせることが、信頼関係構築の第一歩です。
4.部下のメンタル不調に早く気付くキーワード(ケチな飲み屋)
最後に、新入社員をはじめとした、部下のメンタル不調に気付くためのキーワードをお伝えします。
それは「ケチな飲み屋」です。
け…欠勤(特に休日明け)
ち…遅刻・早退
な…泣き言をいう
の…能率の低下
み…ミス
や…辞めたいという
これらの言葉・行動が見られたら、メンタル不調が起きている可能性が高いでしょう。加えて、普段と明らかに違う様子が見られた時も注意が必要です。
新入社員・部下の日々の変化に気づくためにも、教育係・上司の立場になった際には、普段の仕事の仕方や部下の性格を見極めることも大切になります。
新入社員自身にも伝え、自分の状態をセルフチェックしてもらうのもよいでしょう。
まとめ
いかがでしたか?新入社員の教育係は大変なことも多いですが、その分自身の仕事を見つめ直す良い機会にもなります。
ぜひ前向きに、先輩・上司として新入社員と関係性を築いてください。
(参考:公益財団法人東京しごと財団「早期離職防止ガイドブック」 、東京商工会議所「健康経営エキスパートアドバイザーテキスト」)