変化し続ける自分になる~新しいキャリアの見つけ方「プロティアンキャリア」とは?

キャリアに関するこんなモヤモヤ、誰もが抱えているのではないでしょうか?

「 今の会社に属したままでいいの?」

「 自分のスキルは社会から必要とされている?」

「自分らしい働き方って何だろう?」

これまで「キャリア=会社で昇進すること・年収が上がること」と考えられてきました。

けれども、近年では「自分らしさ」や「働きやすさ」を重視した、新しいキャリアの見つけ方“プロティアンキャリア”が注目されています。

ビジネス環境が大きく変化する中、自分らしく働き続けるためには、どのようにキャリアを築いていけば良いのでしょうか。

この記事でわかること

-プロティアンキャリアとは?

-なぜプロティアンキャリアが注目されているのか?

-プロティアンキャリアを身につけるメリット

-プロティアンキャリアを身につけるための3ステップ

プロティアンキャリアとは?

プロティアンキャリアとは、アメリカの心理学者ダグラス・ホール氏によって1976年に提唱された理論です。「人が積み上げるキャリアは、会社や組織に属するものではなく、一人ひとりの個人に属するものである」という考え方が大きな特徴です。

(引用)一般社団法人 プロティアン・キャリア協会

今までキャリアというと、組織の中で昇進したり年収が上がったりすることで評価されていました。プロティアンキャリアでは、「自分が満足できているか」ということが評価の基準です。そして、最終的なキャリア形成の目標は、「組織での成功」ではなく、「(仕事をしている)自分自身を誇れるか?」です。

なぜプロティアンキャリアが注目されているのか?

終身雇用制度の崩壊

プロティアンキャリアが注目される理由として、終身雇用や年功序列などの従来の制度が崩壊したことが挙げられます。

高度経済成長期は、一つの会社に長く勤め上げることが前提で、働けば働くほど昇進し年収も上がる、という考え方でした。けれども、バブル崩壊後は景気が落ち込み、終身雇用を維持できる企業は減り、一度就職した会社に定年までいるのが当たり前という状況ではなくなりました。

ビジネス環境が大きく変わりつつある今、組織に依存したキャリアでは生き残れず、一人一人が時代に合わせ柔軟にキャリアを築いていく、プロティアンキャリアの考え方が求められるようになりました。

人生100年時代の到来

「人生100年時代」とも言われる現代では、働き続けられる期間が長くなったことも理由の一つに挙げられるでしょう。

そのため、一人一人が時代の変化に合わせ多様化した働き方を目指したり、組織も中長期的な視点でキャリアを考え、年齢に関係なく高いモチベーションで働ける環境作りに取り組んだりと、プロティアンキャリアの考え方が時代と合致してきたのです。

プロティアンキャリアを身につけるメリット

仕事へのモチベーションを維持できる

プロティアンキャリアは個人の満足感を重視するため、仕事へのモチベーションを高く維持できるメリットがあります。

従来のキャリアは、個人の満足感よりも組織内でのポジションや年収を上げることが優先されていました。個人の満足感を重視しなかった結果、「仕事にやりがいを感じられない」、「この仕事は自分に合っていないのかもしれない」というマイナスの感情が生まれ、転職にはどこかネガティブなイメージを抱きがちでした。

けれども、転職する人が増加し続ける今、プロティアンキャリアの考え方を身につけることで、個人の仕事の満足感を重視し、自律的にキャリアを形成する人が増えているのです。

時代の変化に合わせた働き方ができる

2つ目のメリットは、ビジネス環境が急激に変化しても、柔軟に対応して働き続けられることです。

これまでは組織内でのポジションや年収がキャリアの評価基準で、キャリア形成は組織に強く依存していました。

プロティアンキャリアでは、いかに組織で生き残るかではなく、自身が成長して市場価値を高めることが重要なので、組織に依存する必要がありません。自分自身で「なりたい自分」を想像し、自律的にキャリアを形成します。

これまで培ってきたキャリアを武器に、キャリアに関する情報を積極的に集めたり、自身の理想の働き方を柔軟に選択したりする結果、時代の変化に合わせた働き方ができます。

プロティアンキャリアの身につけるための3ステップ

1.自分の現状を正しく理解する

まずは、今の自分にどの程度プロティアンキャリアの考え方が身についているか、「プロティアンキャリア診断」を使って確認しましょう。

下記の15項目の質問に回答することで、自分にプロティアンキャリアの考え方が身についているか分かります。

(出典)田中研之輔『キャリアワークアウト』日経BP を元に筆者作成

15項目中12個以上にチェックが入った人は、自分でキャリアを形成し、変化に対応できる人です。チェックが少なかった人も心配いりません。重要なのは、現状を正しく理解して、目標までの距離感を確認しておくことです。

2. 将来どうなりたいか目標を考える

自分の現状を正しく理解できたら、「将来自分がどうなりたいか」を見つめ直し、目標を考えましょう。 

数ヶ月や半年といった短期的な目標だけではなく、5年・10年といった長期的な目標も立てましょう。「そんな先のことまで具体的に思いつかない…」という人は、「どのような状態の時に自分は幸せを感じるのか?」ということを考えてみてください。

「やっておいた方がいいこと」や「知っておいた方がいいこと」の情報が世の中に溢れている今、その中から自分のために必要な情報を取捨選択することも大切です。そのために、「将来どうなりたいか」というイメージを常にはっきりさせておくことは必要不可欠なプロセスです。

3.目標達成に向けて日々の行動を意識する

目標を設定したら、今取り組んでいること・やろうとしていることが、将来の自分にどう返ってくるのか、日々の行動を意識して考えてみましょう。

たとえば、業務上サービスを改善する場面があったとします。ただ上司の指示に従い行動するのと、お客様の声をくみ取り、それに対して自分で考え行動に移すのでは、結果的に同じ行動だとしても蓄積されるキャリアには大きな差があります。

プロティアンキャリアは一朝一夕で身につくものではありません。あくまでも日々の小さな意識と主体的な行動の積み重ねにより、達成できるものだと言えるでしょう。

まとめ

プロティアンキャリアは、個人の自律的なキャリアを築く上で基盤となる考え方です。

ビジネス環境が変わりつつある現代では、変化しないことがリスクになりかねません。プロティアンキャリアを身につけることは、やろうと思った瞬間からすぐに始められますので、ぜひ日々の意識を少し変えてみることから取り組んでみてください。

■参考:一般社団法人 プロティアン・キャリア協会