PMSと上手に付き合う方法とは?セルフケアから治療法まで解説

毎月のPMS(月経前症候群)で気持ちが落ち込んだり、イライラしたりして仕事が辛く、どうやって乗り越えたらいいんだろう?と悩んでいませんか。

PMSは、セルフケアや治療をすることで上手に付き合うことが可能です。

また、会社によっては生理休暇として休みを取得できる場合もあります。

そこで本記事では、PMSを正しく理解し、上手に付き合う方法を解説していきます。

「​​PMSで辛い期間、どうやって乗り越えていくか?」という悩みを解決したい人はぜひ参考にしてください。

本記事でわかること

  1. PMS(月経前症候群)とは?
  2. 生理休暇とPMSについて
  3. PMSの対処法:セルフケア編
  4. PMSの対処法:治療編

PMSとは?

PMS(月経前症候群)とは、月経前の3~10日間続く精神的あるいは身体的症状のことを言い、月経開始とともに軽快ないし消失するものをいいます。

原因は、​​​​はっきりわかっていませんが、女性ホルモンの「エストロゲン」「プロゲステロン」の変化が大きく関わっていると言われています。

症状は、年齢や女性のライフステージの変化(仕事・妊娠・出産など)に大きく影響を受けます。

働く女性の中で、​​最近「仕事に集中できずミスが増えてきた」「イライラしやすく同僚や上司と口論になりやすい」など、思い当たることがあればもしかしたら、PMSが原因かもしれません。

生理休暇はPMSに適応される?

労働基準法の第68条では、「​​生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求した場合には、その者を生理日に就業させることはできない」としています。

生理休暇の中にPMSを排除するという表記はないため、PMSを生理休暇の中に含めるかどうかは、会社の判断になります。

もし、PMSの症状が仕事に支障をきたすほど強い場合は、生理休暇として休暇が取れるかどうか会社に相談してみましょう。

PMSの対処法:セルフケア編

では、実際にPMSと上手に付き合うためのセルフケア方法について解説していきます。

  • バランスの良い食事を心がける
  • 3食きちんと食べる
  • 適度な運動を行う
  • 質の良い睡眠をとる
  • できるだけストレスを軽減し無理をしない
  • 自分の生理周期を把握する

バランスの良い食事を心がける

身体や心の不調は摂取する食事に影響されると言われ、中でもカルシウムを豊富に摂取している人の方がPMSを和らげるという報告があります。

また、日本人女性は鉄分やビタミンB群が不足しているとされ、鉄分やビタミンB群を積極的に摂取すると頭痛やだるさの症状が緩和されます

つまり、バランスの良い食事を心がけることによってPMSを軽減することが可能です。

カルシウムや鉄分・ビタミンB群は、特に意識して摂取しましょう。

逆に月経前は避けた方が良い食べ物もあります。

カフェインは飲みすぎると身体が冷えたり、興奮状態になることで不眠や眠れなくなってイライラの原因にもなるため月経前はできるだけ避けるようにしましょう。

また、甘いものや脂っこいものを食べすぎると血流が悪くなり月経痛が強くなったり、血糖値が急激に変化することでイライラしたり過食になったりする場合があります。

3食きちんと食べる

朝食を食べているかどうかは、PMSの症状に影響があるという研究結果があるように、3食きちんと食べることはとても大切です。

仕事が忙しく、つい朝食を抜いてしまいがちですが、朝食を抜くことがかえってPMS症状を悪化させ仕事の効率を低下させてしまうので注意しましょう。

適度な運動を行う

適度な運動をすることは、身体の血流を良くしPMS症状を軽減します。

適度な運動といってもわざわざジムに通う必要はなく、「いつもは電車に乗っている道を1駅だけ歩いてみる」「家の近所を歩いてみる」などちょっとしたことでも取り入れることができます。

質の良い睡眠をとる

PMSの期間中に睡眠不足になると自律神経が乱れ、余計に身体の不調が増してしまいます。

人は眠りにつく前に体温が下がらないと眠れない性質がありますが、PMSの期間はホルモンの影響で身体が「高温期」になっているため、なかなか眠れない人がほとんどです。

月経前、昼間に眠くなるのもこのせいです。

「朝はしっかり朝日を浴びて体内時計をリセットする」「寝る直前までスマホやテレビは見ない」「寝る2時間前までには入浴をすませる」など、少しでも眠りやすい環境を整えましょう。

できるだけストレスを軽減し無理をしない

PMS症状があるときは無理をしないのが一番です。

体調が優れない時は、仕事効率が下がります。

そんな時は早めに仕事を切り上げゆっくり過ごすことができれば、次の日は仕事がはかどることにもつながります。

だからこそ、職場の同僚や上司にも理解が得られると良いでしょう。

自分の身体に正直になり、労わってあげることが大切です。

自分の月経周期を把握する

女性の多くは、自分のPMS症状に気づいていない人がほとんどです。

PMSは適切に対処すれば症状を緩和することができるため、まずは自分の月経周期を把握しましょう。

そして、PMS症状が出るであろう時期は無理をせずゆっくり過ごすことが大切です。

PMSの対処法:治療編

さまざまなセルフケアを試したけれどPMS症状が一向に改善せず、仕事が辛くて仕方がない場合はどうすれば良いのでしょう。

そのような場合は、迷わず医療機関に相談し、しっかり治療をしましょう。

そこで、この章ではPMSの治療法について解説していきます。

対症療法薬を内服する

PMSの対処法の1つとして、症状に合わせて薬を内服する対症療法があります。

レディースクリニックや婦人科を受診し、症状に合わせた薬を処方してもらいましょう。

仕事が忙しくてなかなか病院受診が難しい場合は、市販薬として販売されているものも多いため、薬局の薬剤師さんに相談するのも良いでしょう。

低容量ピルによる治療

PMSの治療法として、低容量ピルの内服があります。

これは、排卵を一時的に止めて女性ホルモンの変動をなくすことでPMS症状を抑える治療法です。

低用量ピルを内服すると、眠気やだるさ、集中力の低下、むくみ、頭痛、イライラなどの症状も落ち着きます。

しかし、​​低用量ピルには副作用があり、体質的に合わない人や服用できない人もいるため、医師に相談しましょう。

漢方薬による治療

漢方薬は、一種類でいくつもの症状に効くこともあるため、症状が複雑に絡み合っているようなPMSには特に向いています。

低用量ピルが体質的に合わない人や、リスクがあり服用ができない人は、漢方薬を試してみるのも良いでしょう。

まとめ:無理せず上手に付き合いながら、職場の理解も得よう

本記事では、PMSと上手に付き合う方法について解説してきました。

最後におさらいをしておきましょう。

  • PMSの症状をしっかり把握する
  • PMSにより仕事が困難な場合生理休暇を取得できる会社もある
  • まずはセルフケアを試して上手に付き合ってみる
  • セルフケアを試しても改善しない場合は無理せず医療機関に相談する

まずは、自分の月経周期を把握し、自分にどういう症状が出やすいのかを把握するのはとても大切です。

また、PMSはセルフケアを行うだけでも症状は大きく改善します。

それでも、仕事に支障が出るほど症状が強い場合は無理せず医療機関に相談しましょう。

職場の理解を求めることも重要です。

職場の福利厚生が使えるのであれば利用するのも一つでしょう。

PMSは、無理をするのは禁物です。

周りの理解も得ながら上手に付き合い、仕事もプライベートも充実して過ごせるといいですね。