〜薬剤師監修〜妊活中に摂りたい葉酸サプリとは?気をつけたいサプリメントや薬を徹底解説

妊娠を意識し始めたときに「葉酸サプメリントを試したい」「妊活中に薬を飲んでもいいのか」と悩みますよね。赤ちゃんのことを考えたときにまずは食生活や生活習慣を見直して、サプリメントを摂取し始める方も多いのではないでしょうか。

この記事では、妊活中に積極的に摂りたいサプリメントや気をつけたいサプリメントと薬を紹介します。

どのように妊活に効果があるかまで触れますので、これから妊活をはじめる方や妊娠の可能性がある方はぜひ参考にしてみてください。

妊活中に積極的に摂りたい葉酸サプリメント

妊活中に積極的に摂りたいサプリメントの一つに葉酸があります。葉酸が不足すると、妊娠初期の赤ちゃんの神経管閉鎖障害のリスクが高まり、妊娠率が低下する可能性があるため、妊活開始と同時に葉酸のサプリメントを飲み始めてください。

葉酸は水溶性ビタミンのため体に蓄積しにくく、妊娠する1か月前から葉酸を摂取することが推奨されています。妊活中における葉酸の推奨量は1日に400~600μgであり、食事だけでは摂取することが難しいのでサプリメントで補いましょう。

葉酸不足でおこる神経管閉鎖障害は、赤ちゃんの脳や脊髄などの神経管が正常に閉じない病気で、妊娠前から妊娠初期にかけて葉酸を積極的に摂取することが重要です。

葉酸とは

葉酸とはビタミンB群の一種で、赤血球をつくり核酸やタンパク質の再合成をする働きのある栄養素です。赤ちゃんの臓器や諸機能の発育に深く関係している栄養素でもあるため、妊婦や授乳婦の方は普段以上の摂取が推奨されます。

葉酸は主に緑黄色野菜、豆類、果物、牛や豚のレバーなどに多く含まれており、通常の成人の男女では食事から栄養素を補うことが可能です。葉酸は単独で摂取するよりもビタミンCやビタミンB12、鉄分などの栄養素と共に摂取すると体内への吸収率が高まります。

また、葉酸は髪の毛や爪の細胞の再生に関わり、ストレス対策や心血管系の健康維持にも役立つため、妊活中の方だけでなく美容や健康に気を使う方にも注目されています。

葉酸サプリメントの3つの選び方

葉酸サプリメントの選び方には以下のポイントが重要です。
・葉酸の含有量や他の栄養素を確認する
・自分の体質に合ったものを選ぶ
・いつでも気軽に相談できる場所で購入する

妊活時から産後や授乳中の時期には、食事だけでは十分な摂取ができないため、それぞれの時期にあった摂取量の葉酸サプリメントが求められます。葉酸サプリメントの含有量を確認して推奨摂取量の適否を判断しましょう。また、食事だけでは不足しがちな栄養素をチェックすることもおすすめです。

長期的に毎日摂取するため、自分の食生活やライフスタイルに合わせたり、製品の成分や添加物などを確認して自分に合うサプリメントを選択してください。気軽に相談できて自分の事情や希望を理解してもらえる場所で購入することが理想的です。

妊活中は鉄分や亜鉛にも注目する

妊活中の方が不足すると妊娠に影響がある鉄分や亜鉛にも注目しましょう。妊娠前からサプリメントで補完したい栄養素である鉄分や亜鉛は不足すると妊娠しにくくなるかもしれません。

月経がある女性は毎月血液を失うため鉄分不足に陥りやすく、鉄分不足になると疲労感や頭痛、立ち眩みなどの症状が現れる可能性があります。妊活をスムーズに進めるだけでなく心身の健康を守るためにも意識して鉄分を補給してください。

男性が不足しがちな栄養素である亜鉛は、動物性タンパク質を好まない食生活をする方に多いため、まずはバランスの良い食生活を心がけましょう。

鉄分は妊娠率に関わる

鉄分は酸素を体に巡らせるとともに子宮内膜を作る働きがあるため、不足すると妊娠しにくくなります。妊活中は貯蔵鉄であるフェリチンを40ng/mL以上を目安に摂取しましょう。

食べ物に含まれる鉄にはヘム鉄と非ヘム鉄の2種類があり、肉や魚に多く体の中に吸収されやすいヘム鉄を意識して摂取します。食事だけでは十分な摂取ができない場合はサプリメントで補いましょう。

鉄分は胎児の成長にも欠かせない栄養素です。妊娠しやすい子宮内膜を育て、赤ちゃんの成長を促すために、妊活中から積極的に鉄分を補給しましょう。

亜鉛は男性の妊活にも役立つ

亜鉛は精液中に多く含まれる一方でタンパク質合成や細胞分化などに関わり、男性において不足しがちな栄養素であるため、男性の妊活にも役立ちます。亜鉛を大量に摂ると、精子生存率の低下や精巣の委縮など、妊活に逆効果となる恐れがあるため注意が必要です。

また、亜鉛は排卵や着床に関わる卵胞刺激ホルモンや黄体化ホルモンの働きを高めるため、不足すると性腺機能障害を引き起こして妊娠しにくくなります。

亜鉛もサプリメントで補給できますが、過剰摂取を避けるために定期的な採血をして摂取量を調整することが大切です。亜鉛を補給するためには、まず、バランスの良い健康的な食生活を心がけましょう。

妊活中に気を付けたいサプリメント

薬と比べると影響は少なそうなサプリメントですが、ビタミンAやイソフラボンは赤ちゃんの発育にマイナスの影響を与えるため、服用には気を付けましょう。

サプリメントは販売会社によって成分や品質、内容量が異なり、一度に複数のサプリメントを摂ることで、過剰摂取してしまったり、飲み合わせが悪いものがあります。妊娠を希望する場合は特に医師や薬剤師に相談してから摂取するようにしてください。

ビタミンAのサプリメントは飲むのをやめよう

ビタミンAは妊娠初期に過剰摂取するとお腹の赤ちゃんが奇形児になるリスクが高まるため、妊娠を希望する方はサプリメントを飲むのをやめて食事から栄養素をとるようにしましょう。

ビタミンAは皮膚や粘膜、眼の機能を守る働きがある栄養素で、植物由来と動物由来のビタミンAがあります。動物由来のビタミンAは脂溶性ビタミンのため体に蓄積されやすく、妊娠初期に過剰摂取すると赤ちゃんが奇形児となるリスクを高めます。

普段の食事だけではビタミンAを摂りすぎる可能性は低いと考えられますが、動物由来のビタミンAはレバーやうなぎ、バターに多く含まれており、マルチビタミンなどのサプリメントにも含まれていることがあるため、妊娠を希望する方は気を付けてください。

イソフラボンを含むサプリメントは摂りすぎない

イソフラボンは女性ホルモンと似た働きをして美容にも期待できる印象がありますが、過剰摂取するとホルモンバランスが乱れ赤ちゃんの生殖機能に影響を与えるリスクがあるため、イソフラボンを含有するサプリメントを摂りすぎないようにしましょう。

健康と美容に重要なイソフラボンは大豆に多く含有されるポリフェノールで、抗酸化作用のある成分として活性酵素を除去する効果があります。

イソフラボンを過剰に摂取すると、妊娠に欠かせないホルモンであるエストロゲンの分泌が抑制されて排卵が遅れてしまう恐れがあり、妊活には逆効果です。日本人の食事は納豆や味噌汁など大豆が多く含まれており、バランスの良い食生活で十分摂取可能なため、サプリメントでイソフラボンを摂取することはおすすめしません。

妊活中は薬を飲んでもいいの?

妊娠のごく初期である月経開始から排卵までの時期には薬を服用しても良いとされています。しかし、角化治療薬やC型肝炎治療薬、リウマチ治療薬など一部の薬では妊娠に悪影響を与えるものもあります。

とはいえ赤ちゃんへ影響を与えてしまう薬はごくわずかで、定められた用法容量で服用している場合、あまり神経質にならなくても心配はありません。適切な知識を身に着けるために、さらに詳しい内容を以下に紹介します。

市販の薬

ドラッグストアや薬局で購入できる市販の薬は、病院で処方される薬よりも効き目がおだやかで短期間に使用する薬のため、気にしすぎることはありません。風邪や便秘などのつらい症状を無理に我慢してしまう方が、体調やホルモンバランスに悪影響を与えます。

とはいえ服用時は、注意事項が記載されている説明書を必ず読んで用法や用量を守ることが大切です
市販の薬でも大量に服用すると赤ちゃんに影響を与える薬や妊活中に避けたい薬があるため、服用する前に薬剤師や登録販売者に相談しましょう

持病の薬

なんらかの病気で薬を飲む場合は、赤ちゃん奇形のリスクが高まったり妊娠に影響を与えたりする場合があるので、主治医に妊娠の希望を伝えておくことが重要です。持病が悪化して妊活に影響を及ぼすことを防ぐため、自己判断で薬をやめないようにしてください。

抱えている持病の負担が大きいと妊娠の継続が難しくなるため、以下の病気がある方は主治医に相談しましょう。

・甲状腺疾患
・高血圧
・糖尿病
・喘息
・膠原(こうげん)病
・腎臓病

リスクを回避するために病気の治療を続けることが優先されます。医師に相談すれば、赤ちゃんへの影響も考えて薬の種類を変更したり、量を調整したりできる可能性があるので、自己判断よりも先に主治医へ妊娠の希望を伝えることが重要です。

男性の薬は注意すべき?

薬の種類によっては、精子や精機能、精液を通しての女性への影響が懸念されるため、妊活中の男性の薬も注意しましょう。

男性が飲んだ薬で妊娠や赤ちゃんに影響する薬は、サリドマイドやレナリトミドなどの特殊ながん治療薬や、C型肝炎治療薬であるリバビリンが挙げられます。もし妊活中に対象の薬を使用する場合は避妊期間を厳守しましょう。

また、性交前に男性が風邪薬や胃薬などを一時的に飲んでも薬の影響を心配する必要はありません。とはいえ一部のAGA治療薬や抗うつ薬などは精子形成低下や性欲減退などの副作用があり、男性不妊の原因となる場合もあります。妊娠を希望する方は重要な要素であり、悩みがあれば主治医に相談してみましょう。

まとめ

本記事では、妊活中に積極的に摂りたいサプリメントや気をつけたいサプリメントと薬を紹介しました。葉酸は赤ちゃんの臓器や諸機能の発育に深く関係している栄養素のため、赤ちゃんを迎える準備として葉酸サプリメントを積極的に摂取しましょう。妊活中に鉄分や亜鉛を食事で十分に栄養補給できない場合は、サプリメントの摂取を検討してください。

妊活中に気を付けたいサプリメントや薬で、赤ちゃんへ影響を与えてしまう種類はごくわずかです。定められた飲み方で服用した場合、あまり神経質になる必要はありません。妊活を始める際や妊娠が判明した後は自己判断しないで、医師や薬剤師にまず相談をするようにしましょう