20代働く女性の貯金事情(マネー事情)

20代働く女性のマネー事情

家と会社の往復しかしていないはずなのに、毎月給料日前は生活がカツカツ…
空になった財布を見ながらため息をついてしまうことってありますよね。

また忙しい毎日を過ごすうちに、いつのまにかお金の管理から目を背けてしまっている人もいるかもしれません。でも実は20代の独身世代は、お金の貯め時。
あなたがご褒美と称して、散財している間にも同僚は着実にお金を貯めているかもしれません。

そこで今回は、20代働く女性の貯金平均額を大公開!

あなたの貯金額は平均額以上なのかをぜひチェックして、お金の管理を見直してみましょう。

働く20代女性の貯金平均額は104万円

植木型の貯金箱

金融広報中央委員会が発表した「令和2年(2020年)家計の金融行動に関する世論調査」によると、20代の貯金平均額は113万円となっています。

「え…そんなに貯金していないよ…」と焦ってしまった方もいるかもしれませんね。

でも、ご安心ください。113万円はあくまでも平均値で極端に貯金額が多い人も含まれて計算されています。こちらは、20代の貯金額(金融資産保有額)と全体の割合を表にしたものです。

金融資産保有額全体の割合
100万円未満28.3%
100万円~200万円未満8.8%
200万円~300万円未満4.8%
300万円~400万円未満3.6%
400万円~500万円未満2.5%
500万円~700万円未満2.9%
700万円~1,000万円未満1.7%
1,000万円~1,500万円未満0.9%
1,500万円~2,000万円未満0.5%
2,000万円~3,000万円未満0.3%

参照:令和2年(2020年)家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯]

20代の貯金額は100万円未満が多いものの、1,000万円以上の人も1.7%の割合でいます。平均値では、貯金額1,000万円以上の値も含まれるので、高額になってしまうのです。

それに対し、より貯金の実態が掴みやすいのが「中央値」になります。中央値とは、データを高い順もしくは、低い順に並べたときの真ん中の値です。つまり貯金額1,000万円以上や無収入といった極端な値を省くので、周りの貯金の実態が掴みやすいのです。

なお20代の金融資産保有額の中央値は、8万円。
「8万円ならば、私も貯金しているわ。」と安心できますね。

しかし焦らせるつもりはないのですが、20代の働く女性に限定したデータを見ると、そう甘くはないようです。

SMBCコンシューマーファイナンス株式会社が、2017年に20歳~29歳の男女1000名を対象にインターネット調査したところ、20代の働く女性の貯金平均額はなんと104万円との結果が出ています。

男女合わせた貯金平均額113万円には及ばないものの、働く20代女性の多くは堅実に貯蓄を積み重ねているようです。

働く20代の貯金ゼロの割合は43.2%

ぶたの形をした貯金箱

働く20代女性の貯金平均額が100万円を越えていることで、少なからずショックを受けた方もいるかもしれませんね。

しかしコロナ禍の今、働く20代女性を取り巻く環境は厳しく国税庁が発表した「令和元年分 民間給与実態統計調査」によると20代の平均年収は次のようになっています。

20~24歳25~29歳
男性278万円403万円
女性248万円328万円
男女平均264万円369万円

参照:令和元年分 民間給与実態統計調査

なんと20代前半女性の年収平均額は200万円代、20代後半になると300万円に到達しますが、男女合わせた平均年収よりも少ないと言う結果が出ているのです。これで100万円以上貯金するのはなかなか難しいですよね。

そのため、「令和2年(2020年)家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯]」によると、働く20代の貯金ゼロの割合も多く、全体の43.2%。

約4割の20代は貯金ゼロだという結果が出ています。

働く20代女性、将来のライフイベントにかかる費用を算出

結婚式でウェディングドレスを着る女性とスーツを着る男性

20代女性の貯金平均額や平均年収額を改めて確認すると、「頑張って働いても男性よりも年収が少ない。他の人も貯金ゼロだから…今を楽しく暮らせればいいや!」という半ば、投げやりな考えに陥ってしまった方もいるかもしれませんね。

しかし貯金ゼロのまま20代を過ごすのは非常に危険です。20代女性には、30代~40代にかけて
結婚
・出産
・育児

という大きなライフイベントが待っています。結婚式・出産にかかる平均費用を算出してみると次のようになります。

ライフイベント平均費用額
結婚式費用3,623,000円
出産費用505,759円

また育休期間中は、育児休業給付金がもらえるものの、一時的に収入減となることは避けられません。

それでは、それぞれ詳しくみていきましょう。

結婚式費用|362.3万円

株式会社リクルートマーケティングパートナーズは、2020年4月にこの1年で挙式および挙式予約をした、「ゼクシィ」読者及びネット会員、約15,000人を対象に郵送での調査を行いました。

その結果、挙式・披露宴・ウエディングパーティの平均総額は362.3万円。
自己負担額は、約半分の154.6万円という結果が出ました。

参照:「ゼクシィ 結婚トレンド調査2020調べ

ご祝儀があるのにも関わらず、自己負担額が意外と高額なことに驚いた方もいるかもしれませんね。また、362.3万円はあくまでも「結婚式」にかかる費用です。

結婚に伴う引っ越し費用、家具・家電購入などは含まれていません。それらを含めると結婚前までに、夫婦で200万円近く貯める必要があることが予想されます。

このように結婚にはお金がかかることから、男性が結婚相手に求める条件の1つに「金銭感覚が合う」が常に上位にランクインしています。将来、結婚を考えている方は、婚活と同時に貯金をはじめると、結婚への道のりがぐっと近くなるかもしれませんね。

出産費用|50万5千円

独身でバリバリ働く20代の女性にとって、「出産はまだ遠い先のこと…」と思っている方が多いかと思います。そのため妊娠したときに、はじめて出産費用が無料ではないことに気付く人も少なくありません。

健康保険に加入している人は、出産時に「出産一時金」として一律42万円が支払われます。多くの人は、この出産一時金で出産費用が全て賄えると思われがちですが、残念ながらそれは間違いです。

平成28年に公益社団法人国民健康保険中央会が実施した「出産費用の全国平均値、中央値」の調査結果は、次のようになっています。

全国平均額:505,759円
中央値:493,400円

42万円は一時金で相殺されますが、それでも73,000円~85,000円の自己負担額が必要となるのです。さらにこの出産費用は地域差も大きく、東京の場合は

平均額:621,814円
中央値:586,000円

と全国平均額と比べて約16万円も高くなっています。今は子どもを考えていなくても、出産にお金がかかることを想定して少しでも貯金しておくと安心です。

育児|一時的な収入減

育児にかかる費用は人それぞれですが、産休・育休中の収入減はどの世帯も無視できません。出産・育児で働けない労働者のため、国がその期間の生活をサポートするのが「育児休業給付金」制度です。

休みの期間中にまとまったお金がもらえるのは嬉しいですよね。しかしながら、働いているときと同じ金額がもらえるわけではなく、支給金額は次のように計算されます。

労働者の育児休業開始時賃金日額×支給日数(通常30日)の67%
(育児休業の開始から6ヶ月経過後は50%)

例えば、育児休業開始時賃金日額×支給日数が25万円だったとすると、支給金額は16万7,500円となります。また6ヶ月経過後は、50%になるので、12万5千円となるのです。

子どもが生まれると、しばらく働けず収入が減るにもかかわらず
・ミルク代
・衣服代
・水道光熱費
・紙おむつ代

などさまざまな費用がかかります。

子どもが生まれるまでに少しでも貯金しておかないと、育児だけでなくお金の管理にも奔走することになりかねません。将来の自分と家庭のためにも20代から少しずつ貯金をしておくことをおすすめします。

今からできる!20代女性が貯金ゼロの脱出方法

貯金をする女性

20代の働く女性が貯金ゼロのままいくと、将来家族を持ったときにお金で苦労するということはわかっていただけたかと思います。でも男性よりも年収が少なく、生活もままならない中、いきなり「貯金をしましょう!」と言われて難しいですよね。

そこで、ここからは今日からできる、貯金ゼロの脱出方法をご紹介します。まずは赤字を作らない生活を継続することを目標に、できることからはじめてみましょう。

脱出方法1:家計簿をつける

「家と会社の往復しかしていないのに、給料日前になるとお金がなくて焦ってしまう…」というようなことはありませんか?

特別なことをしていなくても、財布からお金がなくなってしまうのならば、まずはその原因を探る必要があります。

その原因を探す方法が家計簿です。しかし家計簿をつけるとなると、
・費用を細かくわける
・1円単位で計算する
・毎日きちんとつける

など普段は全く出ない几帳面な性格が表れて、面倒になり3日坊主で終わってしまう…ということはないですか?

ここは思い切って、キャッシュレス決済に一元化して、家計簿アプリにすべて任せちゃいましょう。家計簿アプリの多くは、カード情報や銀行口座情報などの情報を入れるとアプリと連携し、決済情報がそのまま自動入力されます。

まずは家計簿アプリを1ヶ月使ってみて、お金の使い方をチェックしましょう。家計簿アプリを使うなら次の3つがおすすめです。

おすすめアプリURLおすすめポイント
マネーフォワードMEiOS
Google Play
・入出金の履歴から自動で家計簿を作成・2,678社との金融関係サービスと連携可能
ZaimiOS
Google Play
・累計800万ダウンロードの実績・家計簿に挫折した利用者の84%が「長く続けられる」使いやすいアプリ
Money TreeiOS
Google Play
・広告表示一切なし・AIが費用を自動で仕訳し、ムダ遣いを見える化

いずれも無料で使えるものばかりなのでぜひ使ってみてくださいね。

脱出方法2:貯蓄用口座を作って先取り貯金

給料日になると、気が大きくなってしまいつい散財してしまうなんてことはありませんか?使い過ぎを防止するためにも、貯蓄用口座を作り先取り貯金をしましょう。

給料日に貯蓄用口座に一定金額を入れて、すぐに引き出せないようにすれば、いつの間にかお金が貯まります。先取り貯金額が大きいと、負担が大きくなるのでまずは少額からはじめていきましょう。

なお、貯蓄用口座はネット銀行がおすすめ。メガバンクや地方銀行よりも金利が高く、さらにコンビニATMでどこからでも手数料ゼロで引き出すことができます。

先取り貯金口座を作るならば、次のネット銀行がおすすめです。

おすすめネット銀行金利(普通預金)おすすめポイント
あおぞら銀行 BANK0.2%・業界No.1の高金利・ゆうちょ銀行で回数制限なく無料で引き出し
ローソン銀行0.001%・300万円以上の預入で金利が0.15%・ローソン銀行ATMで24時間利用可
東京スター銀行0.001%・給料の受取口座にすることで、金利が0.1%にUP・インターネット限定申込で年利が期間限定でUP

貯蓄口座にするならば、ネット銀行の中でも高金利な上記3つがおすすめです。とくにあおぞら銀行は、普通預金の金利がなんと0.2%。他の銀行に比べると20倍もの差があります。

脱出方法3:ATMの利用頻度を減らす

意外と盲点なのが、ATMの利用頻度です。ひと月に何回、ATMを利用していますか?今は多くの人がネット銀行を利用し、手数料ゼロでお金を引き出しています。

しかしATMの多くはコンビニにあるため、引き出すついでにジュースやお菓子を買って帰ることはありませんか?たとえ少額の買い物でも毎月何度も通っていれば、数百円~数千円になります。

1年に換算すると、1万円以上になることも。この1万円はコンビニに行かなければ、貯められたお金です。不必要な買い物を避けるためにも、ATMの利用頻度は月1回までにすることをおすすめします。

脱出方法4:空いた時間を使って副業

今の給料ではなかなか貯金ができない方は、副業で収入を増やしてみるのはいかがでしょうか。副業をすると、少額ですが給料以外に自由に使えるお金を稼ぐことができます。

コロナ禍での外出自粛によって、在宅時間が増えた今がチャンス。今のうちに副業を始めて、軌道に乗せておけば、給料以外に月5万円稼ぐことも夢ではありません。

まとめ:20代からの貯金は遅くない!貯金の習慣で明るい未来を

働く20代女性を取り巻く環境は厳しく、女性の平均年収は男女合わせた平均年収よりも低くなっています。少ない給料の中、家計をやりくりしながら貯金をし続けるのは大変です。

しかし20代の給料が少ないうちに貯金を少しずつでも始めることで、
・お金の管理が上手になる
・貯金が習慣化する

というメリットがあります。今、貯金がゼロでも大丈夫。20代からの貯金は決して遅くはありません。

将来に備えて今から赤字家計を見直し、少しずつ貯金をしていきましょう。そうすればきっと明るい未来が見えてくるはずです。