人材業界出身者が解説!転職エージェントの活用法

「転職を考え始めたけど、どこの転職エージェントがいいの?」

「そもそも転職エージェントを使うメリットってなに?」

転職が頭をよぎったとき、転職エージェントに相談することを考える方は多いでしょう。

世の中にたくさん存在する転職エージェントをどう選んでいいかわからないというあなたに、人材業界の経験者がわかりやすく解説します。

転職エージェントについて長所短所を理解し、納得のいく転職活動となるようぜひ参考にしてください。

転職エージェントって?

転職エージェントは、人材紹介会社です。「転職したい求職者」と「条件にあった人材を採用したい企業」とをマッチングさせる役割を担います。

転職エージェントは求職者一人ひとりに担当者がつき、転職したいあなたの要望をヒアリングして最適な情報を提供してくれます。

求職者は転職エージェントのサービスを基本的に無料で受けることができます。

エージェントが受け取る報酬は求職者からではなく、成功報酬として企業側から支払われるからです。

求人の数が豊富で、一般には情報が公開されていない非公開求人があることも利用するメリットの一つです。

転職エージェントの仕組みと、利用の流れとは

転職エージェントは求職者と企業との間に入り、双方の要求にを調整します。

ここからは「転職エージェントと求職者」、「転職エージェントと企業」に分け、それぞれの対応方法について解説します。

転職エージェントと求職者

求職者は、転職エージェントへの登録をするところからスタートします。WEB上で登録後、ほとんどの転職エージェントが面談あるいはオンライン面談・電話面談を実施します。面談では、これまでの職務経歴のほか、転職条件等を伝え、整理します。

求職者が転職エージェントを使って転職活動を進めるまでの流れは下記の通りです。

利用方法と流れ

1.求職者が転職エージェントに登録

2.転職エージェントと面談(ヒアリング)

3.求職者に最適な企業の紹介

4.応募書類の作成と企業への応募

5.企業と面接

6.内定・現職の退職サポート

7.入社(転職エージェントによっては入社後のサポートあり)

転職エージェントと企業

企業が独自で人材を募集する場合は、求人広告の手配や管理など、手間と時間がかかります。

募集ポジションによっては、条件とは異なる層の求職者ばかりが応募してくるということもあるでしょう。ケースに応じて非公開で募集ができ、なかなか出会うことができない人材とのマッチングを期待し、転職エージェントに依頼をするのです。

そしてエージェントが紹介した求職者が無事に企業に入社すると、転職エージェントに企業から紹介料が入る、という仕組みになっています。

企業が転職エージェントを利用する流れ

1.企業が求人の依頼

2.転職エージェントが紹介した人材との面接

3.企業が内定通知

4.求職者が入社した場合、転職エージェントに報酬が支払われる

転職エージェントを利用する、メリットとデメリット

転職エージェントにはメリットもデメリットもあります。

メリットとデメリット、どちらも把握し、うまく活用しましょう。

メリット①自分の市場価値がわかる

転職エージェントは転職に市場動向を把握しています。いくら今の会社で高い評価を受けていても、転職市場で同じ評価をされるかどうかはわかりません。それとは逆に、今の会社でなかなか評価されていなくても、転職市場においては高い評価を受けることもあります。

転職市場全体の動きと、自分自身の価値を総合的に判断し、客観的なフィードバックをもらえることは転職エージェントを利用する大きな価値の一つでしょう。

転職エージェントは、転職先の情報だけを紹介するのではありません。転職に関するさまざまな相談以外に、今転職することが妥当なのか、アドバイスをもらえることもあるでしょう。

メリット②応募書類や面接準備のサポートが手厚い

求職者が作成した応募書類へのアドバイスも転職エージェントを利用するメリットです。自信を持って作成した書類であっても、プロの視点からすると、情報が不十分で、うまくアピールができていないことも多いです。

また面接対策も、企業とやりとりをしているからこそ把握しているポイントなどがあるでしょう。

応募書類は転職エージェントの力を借りて入念に添削し、面接対策のアドバイスもらいましょう。

メリット③非公開求人の紹介

転職エージェントには多くの求人が集まるため、非公開求人の情報も豊富です。

「非公開求人」が存在する理由は、大きく二つあります。

・プロジェクトや戦略などの情報がライバル企業に知られることを避けるため
・条件に合致しない人材が応募してくる可能性を減らすため

リスクを避けるため、効率の良い採用を行うために、非公開求人として転職エージェントに依頼するのです。転職サイトには掲載されていない、あなたの条件に合致する魅力的な求人情報があるかもしれません。

デメリット①自分のペースが崩れ、ミスマッチにつながることも

ここからは転職エージェントのデメリットについてもご紹介します。

転職エージェントの立場としては、求職者が採用されることによって利益が生まれるため、出来るだけ早く活動をし、内定につなげたいと思っています。それが時として、急かされているように感じたり、自分のペースが崩れてしまったりと、ストレスになる場合も。

また、希望とは異なる求人の紹介を受けたとき、それが思いがけず良い企業との出会いとなることもあれば、自分の条件とのズレを感じながらも内定まで進んでしまうということがあります。

最終的に、自分自身の価値観や条件と照らし合わせ、判断できれば問題ないですが、断ることが苦手な方は要注意です。

デメリット②煩雑になる

転職エージェントは持っている求人の数や質にはばらつきがあるため、複数のエージェントに相談することが無難ですが、それでも何社のエージェントと一緒に取り組むかは考えたほうがよいでしょう。

あまりにも多くのエージェントに相談していると、紹介される求人数の多さに混乱してしまうことも。

多くの場合、転職活動は仕事をしながら進めます。転職活動が忙しくなり、本業に支障が出てしまうと、退職時のトラブルにもなりかねません。

ご自身でマネジメントできる程度のエージェントに絞りましょう。

転職エージェントと転職サイト、何が違うのか

転職サイトは転職エージェントと違い、全ての工程を自分で対応します。つまり、エージェントによるサポートがないということです。

求人サイトは、求人探し、応募、面接、入社までを自分で行う一方、転職エージェントは、一人ひとりに担当者がつき、求人の紹介から入社までサポートします。

企業側にとっても、転職エージェントは人材のマッチングから面接の日程調整まで担ってくれるため、サポートが充実した魅力的なサービスと言えます。

しかし、採用が成功すると紹介料をエージェントに払わなければならないので、大量に採用したい場合はコストパフォーマンスが悪くなります。

企業側も転職エージェントと転職サイトをうまく使い分けているのです。

まとめ

今回は転職エージェントについて、シンプルに解説いたしました。

転職エージェントと上手に付き合うことで、手厚いサポートと自分では探すことができない企業との出会いが期待できます。みなさんの転職活動がより良いものになりますように。