ブランク明けの再就職は難しい?仕事復帰をめざして取り組みたい対策5つ

「結婚や出産にともなって今の仕事の退職を考えている」

「ライフイベントを大切にしたいけれど、せっかく就けた今の仕事を手離すのも怖いな…」

「子育てが落ち着いたら再就職したいけれど、ブランク明けの再就職って難しいのかな」

こんな風に感じている人はいませんか。

結婚や妊娠・出産といったライフイベントと仕事の両立に悩む20代~30代は多いでしょう。ライフイベントを優先したいと退職を考えたとしても、キャリアの中断は不安ですよね。

結論からいうと、ブランク明けの再就職はやはり簡単ではないといわれていますが、対策することで再就職を成功させることは十分可能です。

こちらの記事では、ブランク中にしておきたい再就職対策・再就職活動のコツなどを紹介します。
読んで参考にしていただくことで、ライフイベントもキャリアも諦めない人生を過ごしてくださいね!

結婚や出産で退職する女性は多い

結婚や出産を機に仕事を退職する女性は多いです。
調査結果からも、女性の正社員率は25~30歳の60%をピークにその後下降することがわかっています。

(備考)1.総務省「労働力調査(基本集計)」より作成。
2.労働力人口比率は、「労働力人口(就業者+完全失業者)」/「15歳以上人口」×100。
3.正規雇用労働者は「役員」と「正規の職員・従業員」の合計。非正規雇用労働者は「非正規の職員・従業員」。

引用元:男女共同参画白書|令和5年調査|内閣府


結婚や出産で正社員を退職した経験がある人は、8割近くにのぼります。退職の理由は「心身の負担」が最多でした。

引用元:PRTIMES|働く母に聞く【結婚・出産を機に“正社員”を辞めた経験は?】 「辞めたことある」80.1%/退職理由「心身に負担」46.4%

ブランク明けの再就職は簡単ではない

ブランク明けの再就職を困難に感じる人が9割

結婚・出産後の就職活動を難しいと感じる人は、調査結果によると9割以上にのぼりました。
難しいと感じる理由としては、「家庭と両立できる仕事が少ない」ことを挙げる人が8割弱います。

引用元:しゅふJOB総研|結婚・出産後の就職活動について、女性はどう感じているのか?「難しい」 92.6%|就活が難しい理由「両立できる仕事少ない」78.1%

採用担当者の心の内

ブランクがある求職者を雇うとき、採用側は以下のことを不安に感じます。

  • ビジネス感覚が鈍っていないだろうか。復帰後、周囲とスピードや考え方を合わせられるだろうか
  • 今の時勢で戦力になるだろうか。前職で得たスキルや知識のまま、アップデートされていないのではないか
  • 子どもの病気などで急に休まれ、仕事に支障をきたさないか

採用側は即戦力となる人材を求めており、ブランクのある求職者の採用には慎重になりがちです。
特に子育てにともなうブランクは数年という長期間にわたることが多く、その長さも採用側には懸念材料になるでしょう。

ブランク中にしておきたい再就職対策6つ

ブランク中に準備を重ねていくことで、再就職の成功につなげられます。
子育て中にまとまった時間は取りにくいものですが、少しずつでも対策を講じていきましょう!
ここでは、6つの対策を紹介します。

1.業界・企業の情報収集

常に業界・業種の動向や企業の最新の情報を把握するようにしましょう。
就職活動にスムーズに取りかかれますし、希望どおりの会社に採用される確率が高まります。

内容具体的な行動方法
業界・業種の動向気になる業界・業種に関する団体や協会のWebサイトを見る本や新聞を読む就職情報サイトなどに目を通すセミナーに参加する
企業情報企業サイトで社風や企業理念を確認する就職情報サイトや転職エージェントで各企業の福利厚生などを調べる子育てしながら働きやすい会社かに着目して調べる(時短勤務は子どもが何歳まで可能か、実際の育休取得率はどの程度かなど)

2.資格取得

再就職したい業界や自分の興味分野にあわせた資格取得もおすすめです。
資格は自分がもつスキルを客観的に示すツールになるため、再就職を助けるものになるでしょう。

主婦が子育てをしながら取得しやすい資格には、以下のものがあります。

資格具体例
生活(家計管理や子育て)と絡めて取得しやすい資格ファイナンシャルプランナー保育士
需要が高い資格パソコン関連スキル(MOSなど)簿記医療事務 登録販売者 など

受講要件を満たす人は、ハローワークの職業訓練の受講もひとつの方法です。

3.女性の再就職支援サービスの利用

女性の再就職を支援する窓口・サービスは多くあります。ぜひ積極的に利用しましょう。
不安を解消できたり、有意義な情報を得られたりすることもあります。

具体的には以下に記載した支援があります。

  • 自治体による女性の再就職相談窓口の利用
  • マザーズワークの利用
  • ママに特化した就職支援サイト など

4.在宅でできる取り組み

子育て中の場合、在宅でできる取り組みは比較的難易度が低く、おすすめです。在宅でできることを通して、社会とゆるやかな関係を保てます。
仕事の感覚を失わないため、再就職するときに自分も不安になりませんし、採用側も安心します。

具体的には以下があります。

内容再就職への効果
業務受託(テープ起こし・データ入力など)仕事の感覚を失わないスキルアップにつながることもある
ブログ運営やSNS投稿をする培ったスキルが強みになり、採用につながることもあるスキルアップすることで、在宅ワークとして収入を得られる
撮った写真や描いたイラストをネットで販売するビジネス感覚が養われる

5.ポータブルスキルの向上

子育て経験を通して、どんな仕事をする上でも共通して必要なポータブルスキルが培われることもあります。自分の強みとしてアピール要素にできるでしょう。

経験すること向上が期待されるポータブルスキル
思い通りに進まない子育てを通して、時間管理が上手になるタイムマネジメント能力
子育てを通して、ママ友、支援センター、地域の人など多様な人と関わるコミュニケーションスキル
妊娠・出産・育児で大きな環境変化を経験する適応力・柔軟性

6.働ける環境整備

仕事を再開するために家族の理解・協力は不可欠です。
夫や両親の協力はどの程度得られるのか、具体的に確認していきましょう。

  • 子どもが発熱した場合のお迎え要請には対応してもらえそうか
  • 残業や土日出勤が必要な時は、子どもを預かってもらえそうか
  • どの程度家事を分担できそうか

家族のみならず、各種のサポートサービスの利用も有効です。
サポートサービスの一例を紹介します。

サービス実施主体サポート内容料金(目安)
ファミリーサポートセンター自治体子どもの送迎や一時預かり(会員登録が必要)病児・病後児保育対応もあり(一部)1時間700円前後
ベビーシッター・キッズシッター民間企業子どもの送迎や一時預かり病児・病後児保育対応もあり(一部)1時間1,000円~
家事代行サービス民間企業家事(料理、掃除、片付けなど)1時間3,000円~

ほかにも居住地ごとにさまざまなサービスがあるため、詳しくリサーチしておくことをお勧めします。
働く環境が整っていると伝えることができれば、採用側の不安を取り除けますし、自分自身も安心して働けるでしょう。

再就職活動でブランクの伝え方のポイント2つ

育児によるブランクは理由が明確なため、スキルや実績・経験をアピールすることで採用につながるチャンスはあります。
以下の2点がポイントになるため、しっかりとアピールできるようにしましょう!

  • ブランク期間に得たもの
  • 協力を得られる環境があるためしっかり働けること

慢性的な人手不足の中、人材を求めている職場はたくさんあります。
ブランクを気にしすぎず、自信をもって再就職活動にのぞんでください。

【まとめ】納得のいく選択を!キャリアサポートの活用もおすすめ

キャリアとライフイベントの両立は難しい問題です。人それぞれ価値観や考え方があり、正解がありません。
だからこそ、後々後悔のない納得のいく選択をしたいものですね。

ひとりではなかなか決められない場合は、キャリア支援サービスの活用もひとつの方法です。プロのキャリアカウンセラーが寄り添いサポートしてくれます。

ライフイベントを優先するために退職するという選択もひとつです。自分が納得している選択であれば、自信をもって進みましょう。
その上でブランク明けの再就職を希望する場合は、ぜひ早い段階から再就職に向けての準備を始めてみてくださいね。