社会人にとって、切っても切り離せない「ビジネスマナー」。
必要だと分かりつつも、「ビジネスマナーって堅苦しくて苦手…」「なんでこんなことをする必要があるのだろう」と思ったことがある人も多いのではないでしょうか。
コロナ禍を経てビジネスマナーは大きく変わりました。
今回は、「令和の新ビジネスマナー」のうち、”オンライン”のビジネスマナーに着目して紹介します。元役員秘書の筆者の視点から、より大切な点をピックアップしましたのでぜひご活用下さい。
ビジネスマナーは必要?自信ある?
コロナ禍を経て働き方やコミュニケーションの取り方が変わる中、ビジネスマナーについて
どのように考えているのでしょうか。
(引用)Job総研「2024年 ビジネスマナー実態調査」
仕事を円滑に進めるために、ビジネスマナーが「とても必要」「必要」「どちらかといえば必要」だと回答した人は、全体の88.7%。ほとんどの人が、ビジネスマナーが必要だと考えていることが分かりました。
(引用)Job総研「2024年 ビジネスマナー実態調査」
その一方で、ビジネスマナーに「全く自信がない」「自信がない」「どちらかといえば自信がない」と回答した人が全体の約半数にのぼり、必要性を感じながらも自信を持てない人が多いという結果でした。
令和の主流は“オンライン”~これだけは大切にしたいビジネスマナーとは?
Eメールでのやり取りで気をつける点は?
早めの返信を心がけよう
Eメールはできるだけ早めの返信を心がけましょう。
チャットツールでやり取りすることも増えましたが、社外とのやり取りは「Eメールが主流」という勤務先も多いのではないでしょうか。
「仕事ができる人ほどメール返信が早い」とも言われることもあり、早めに返信することで相手からの信頼性が高まります。効率良く業務を進めるためにも、大切にしたいビジネスマナーだと言えるでしょう。
送り先は念入りに確認しよう
Eメールを送るときは、ToやCc、Bccなどの送り先を念入りに確認しましょう。
たとえば不特定多数の人に一斉にメールを送る場合、お互いのメールアドレスが表示されないように「Bcc」にアドレスを設定するのがマナーです。誤って「To」や「Cc」に設定すると、受信者同士にメールアドレスが分かってしまい、個人情報の漏洩になります。
相手からの信頼を著しく失う事態に発展することもあるので、これらの区分を十分理解した上で、念入りに送り先を確認しましょう。
正しい敬語で送ろう
正しい敬語を使ってメールを送ることは、令和に入ってもなお大切にしたいビジネスマナーです。
「何を今さら…」と思った人も、意外と誤った敬語のままメールを送っているケースもあるものです。間違いやすいビジネス敬語の例は次の通りです。
【×】送っていただいた資料を拝見させていただきます。
【◯】送っていただいた資料を拝見します。
【×】お体をご自愛ください。
【◯】ご自愛ください。
メールは顔が見えず、相手の表情や口調も分かりません。そのため相手への敬意を表すような、正しい敬語を使ったメール文章を日頃から意識したいものです。
リモートワーク中に気をつける点は?
通信環境を整えよう
リモートワークを行う上で、通信環境の整備は必須です。
利用する通信回線の速度が遅いと、リモート会議の音声が遅れたり、重いデータを開くときに時間がかかったりと、業務への悪影響が出ることがあります。
固定回線を利用したネット環境(光回線)は通信の安定性が高いため、リモート会議や動画の視聴にほとんど支障がなく、リモートワークに適していると言われています。
一方、フリーWi-FiやポケットWi-Fi、スマートフォンのテザリングなどの無線回線は、外出先でも手軽に利用できるメリットもありますが、十分な通信速度や安全性を確認した上で利用するのがよいでしょう。
情報の伝え方を意識しよう
リモートワークは、隣の席で仕事をしていないからこそ、情報の伝え方を意識しましょう。
リモートワークでは、文面でのコミュニケーションが増えるため、「相手が判断するために必要な情報」「相手が仕事を進めるのに必要な情報」「自分が伝えたい情報」を意識して、大切なことを簡潔に伝えるように心がけましょう。
また、リモート会議では相手に伝わりやすくなるよう、普段よりゆっくり話すとコミュニケーションがスムーズです。
リモート会議で気をつける点は?
原則カメラはオン、氏名を表示しよう
リモート会議では、よほどの事情がない限り、原則カメラはオンにすることが望ましいでしょう。発言者にとっては、顔が見えないと相手の反応が分かりづらいものです。
また、自分の氏名は正しく表示し、参加者全員に分かるようにしましょう。特に、初対面同士の商談の際は必ず行いましょう。
服装や身だしなみ、背景に注意しよう
ほかの参加者に違和感を与えない服装や身だしなみを心がけましょう。
自宅から参加する場合は、ついつい服装や身だしなみを疎かにしてしまいがちです。あまりにリラックスしている様子は緊張感に欠け、ほかの参加者に違和感を与えることもあります。服装や身だしなみを心がけることで、仕事のON/OFFの切り替えもしやすくなるでしょう。
また、リモート会議の背景にできるだけプライベートなものが映り込まないよう配慮しましょう。ほかの参加者が気になるものが映り込んでいると、それに気を取られ会議に集中しづらいこともあるかもしれません。壁やカーテンを背景にしたり、バーチャル背景を利用したり、参加者が会議に集中できるような配慮が必要です。
他の人が話しているときはマイクをオフにしよう
リモート会議では発言者の声を最優先し、自分が発言していないときはマイクをオフにしましょう。
マイクの雑音や環境音は思いのほか気になることもあります。マイクオフ機能を適切に使い、リモート会議を円滑に進められるよう心がけましょう。
表情や相づちで大きく反応をしよう
リモート会議では、表情や相づちで大きく反応し、相手に自分の意思を積極的に伝えましょう。
対面の会議であれば声で伝えられますが、リモート会議では音声が遅れて届くこともあるため、相づちの声が会議の進行を妨げることもあります。参加者同士の意思疎通をスムーズに行うためにも、少し大きめのリアクションを心がけるのが令和のビジネスマナーです。
プライベートでSNSを利用するときに気をつける点は?
20~30代の大半が利用しているSNSにも注意が必要です。
「プライベートで利用しているのだから、どう使おうと個人の自由だろう」と思っても、個人のSNSにうっかり書き込んだ内容が情報漏洩や中傷となり、勤務先に多大な損害を与えるケースも考えられます。
個人のSNS利用については、勤務先の規則があればそれに従う、投稿内容や発言に細心の注意をする、勤務時間内の投稿は控えるなどといった、社会人として最低限のマナーを守りながら利用しましょう。
まとめ
令和の時代に入り、ビジネスマナーは大きく変化を遂げました。今はまだ変化の途中で、これからも時代に合わせて変化していくでしょう。
ビジネスマナーは相手への敬意を示すもので、必ずこうしなければいけないと押し付けるものではありません。いつの時代も相手の気持ちに寄り添うことを忘れずに、時代に合わせて変化できる柔軟さを持ち合わせるとよいでしょう。
■参考
・Job総研「2024年 ビジネスマナー実態調査」