「なんで自分ばかり」とならないために~共働き夫婦の円満な家事分担のコツとは?

共働き夫婦の「家事分担」、皆さんはどうしていますか?

共働き夫婦は多忙なだけに、家事を分担してスムーズに行い、家ではできるだけリラックスして過ごしたいもの。

けれども、夫婦どちらかに家事が偏り「なんで自分ばかり…」と不平等感にイライラして、険悪なムードになってしまった…なんて人も多いのではないでしょうか。

この記事では、共働き夫婦の「家事分担の実態」、「家事分担がうまくいかない理由」、「円満な家事分担のコツ」について説明します。

共働き夫婦の家事分担の実態とは?

小学生以下の子どもを持つ、共働きの20代〜40代の既婚夫婦400名(男女200名ずつ)を対象にした調査では、共働き家庭の約半数で、「妻が家事・育児の80%以上」を担っている実態が伺えます。

(参考)クレハ「共働き夫婦の家事シェア事情」に関する実態調査

また、男女の調査結果を比べると「妻100%」や「妻50%・夫50%」の項目でそれぞれ大きな差があり、夫は「やっているつもり」、妻は「まだまだ足りない」という、夫婦間での認識の違いがあるようです。

共働き夫婦の家事分担がうまくいかない理由

夫婦間でのコミュニケーション不足

共働き夫婦の家事分担がうまくいかない大きな理由として、まず夫婦間でのコミュニケーション不足が挙げられます。男女別の家事分担に対する不満の声をピックアップしました。

女性側の不満の声

・言わないとやってくれない(言ったことしかやらない)

・頼むと嫌な顔をされる

・やり方が雑なので、結局やり直さないといけない

男性側の不満の声

・やり方に文句を言われる

・何をしたらよいか分からない

・感謝されないため、意欲がなくなる

どんなに仲が良い夫婦でも、全て分かり合えるわけではなく、家事に対する価値観ややり方は人それぞれ違います。毎日一緒に暮らしていると、つい女性は「言わなくても当然分かるよね?」と思いがちですが、男性は意外と気が付かないもの。「なんで気づいてくれないの?」と不満をためることも多いのではないでしょうか。

男性側の「何をしたらよいか分からない」という声が表す通り、家事分担がうまくいかないのは、夫婦のコミュニケーション不足が一因かもしれません。

「男性は仕事、女性は家庭」という固定観念が根強い

近年、共働き世帯が増えたとはいえ、日本には依然として「男性は仕事、女性は家庭」という考えが根強くあります

内閣府男女共同参画局の調査によると、20~30代男性のうち「男性は仕事をして家計を支えるべき」と考える人が40%以上、「共働きでも男性は家庭よりも仕事を優先するべき」と考える人が25%以上と、性別役割意識が強く、女性に家事の負担が偏る原因の一つと考えられます

(参考)内閣府男女共同参画局
令和4年度 性別による無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)に関する調査研究調査結果

共働き夫婦の「円満な家事分担のコツ」5

1.家事の「見える化」をする

共働き夫婦の家事分担を円満にするために、まずは家事全てを「見える化」しましょう

料理、洗濯、掃除といった分かりやすい家事だけでなく、日用品の買い出し、洗剤やトイレットペーパーの補充、玄関の靴を揃える、空いている缶やペットボトルの片づけ、植物の水やりなどの「名もなき家事」についても、できるだけリストアップしましょう。

リストアップできたら、それぞれの家事にかかる時間や頻度、労力について夫婦間で話し合いましょう。家事の全体量をお互いが把握することで、自分が今どれくらい家事分担しているのか分かり、夫婦間で認識のずれが起こりづらくなります。

2.夫婦で話し合い、分担する

家事を「見える化」したら、次の2点を意識しながら夫婦で分担しましょう。

1点目は、できるだけお互い得意な家事を担当しましょう。仕事で疲れて帰ってきた後に、苦手な家事をするのは大きなストレスです。逆に得意な家事なら効率よく進められ、限られた時間を有効に使えます。

2点目は、こだわりがある人がその家事を担当するとよいでしょう。例えば、「私は毎日掃除機をかけたいけど、夫は毎日しなくてもいいと思っている」といった場合には、掃除は妻が担当するなど、こだわりがある人が担当することで、効率も精度もよく、相手に対して不満がたまりづらくなります

家事分担は、実際にやることで初めて課題が見えることもあります。定期的に話し合い、どちらかの負担が大きすぎたり、ライフスタイルに変化があったりした場合には、その都度話し合い、自分たちらしいベストを探しましょう

3.相手の家事のやり方に口出ししない、完璧を目指さない

夫婦で話し合い家事分担したら、相手の家事のやり方に口出しせず、任せることが大切です。家事のやり方や価値観は夫婦であっても違うもので、どちらが正しいということではありません。相手がした家事に対して、口を挟んだり文句を言ったりすると、やる気を失い、せっかく決めた家事分担がうまくいかないこともあります。

どうしても相手の家事のやり方が気になる時は、家事が終わったあとに丁寧にお願いするなど、相手の気持ちに配慮して伝えましょう

共働き夫婦は、完璧な家事を目指さないことも大切です。仕事が忙しい時は、掃除機をかける回数を減らしたり、食事をお惣菜で済ませたり、時には手抜きも必要です。

4.相手に感謝の気持ちを伝える

相手が家事をしてくれたら、できるだけ感謝の気持ちを伝えましょう。

家事は日常生活の一部なので感謝の気持ちは薄れがちですが、「やって当たり前のもの」ではありません。日頃の感謝を伝えることは少し恥ずかしいかもしれませんが、感謝されて嫌な気持ちになる人はまずいないはずです。

5.家事を減らす

共働き夫婦は、家事に使える時間が限られているので、そもそも減らせる家事はないかを積極的に考えてみるのもよいでしょう。

ネットスーパー・時短家電・家事代行サービス等を利用する。

ネットスーパーを利用すれば、「買うものを事前に考え、スーパーまで行き、スーパーで商品を選ぶ」といった買い物の時間と労力を減らせます

また今は、食器洗浄機やお掃除ロボット、洗濯乾燥機、電気調理鍋など、優秀な家電がたくさんあります。こういった家電は高額なものが多いですが、家事をスムーズに進めるために賢く活用するのもよいでしょう

毎日働いていれば「残業続きで家事ができない」、「たまにはゆっくり休みたい」という日もあるものです。そのような時は、思い切って家事代行を利用するのも手です。「自分がやらなければ」という思い込みを手放すことで、減らせる家事もあります。

しなくてもよい家事を洗い出す

家事全般を見直すと、意外としなくてもよい家事が見つかるものです。例えば、洗濯ものはたたまず、ハンガーに掛けて収納することで「洗濯をたたむ」という家事が減ります。シワになりにくい洋服を選べば、「アイロンがけ」という家事が減ります。

家事分担も大切ですが、「そもそもこの家事は必要?」という視点で、思い切ってやらないのも一つの考えです。

まとめ

共働き夫婦の家事分担で大切なことは、「夫婦にとってベストな家事分担」を「定期的に」話し合い、お互い納得できる形に近づけていくことです。必ずしも平等に分担することが正解とは限りません。日々のお互いの心掛けを大切に、自分たちにとってのベストな家事分担を探してみてはいかがでしょうか。

■参考

(参考)内閣府男女共同参画局
令和4年度 性別による無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)に関する調査研究調査結果

(参考)クレハ「共働き夫婦の家事シェア事情」に関する実態調査