・退職代行ってよく聞くようになったけど、詳しくはわからないな
・退職代行を利用する人ってどうなの?どんな人なの?
・仕事を辞めたいけど、退職代行を利用しても大丈夫かな?
こんな風に考えたことはありませんか。
最近、本人の代わりに勤務先に退職の意向を伝える「退職代行」というサービスの認知が進んでいます。
しかし、なんとなくイメージはできても、サービスの概要までは詳しく知らない人が多いのではないでしょうか。
実際に利用したり利用を検討したりした人でなければ、わからないものですよね。
そこで、こちらの記事では以下を解説していきます。
- 退職代行のサービス概要
- 退職代行のニーズがある背景
- 退職代行を利用する人の実態
- 退職代行の利用にあたっての注意点
- 退職代行の前に心がけたい行動
お読みいただくことで退職代行について正しく理解し、今後のキャリアを考えるヒントになるでしょう。関心がある方はぜひ最後までお読み下さい!
退職代行ってどうなの?サービス概要を紹介
退職代行とはどのようなサービスなのか、簡単に説明します。
退職代行とは
- 退職者本人に代わって勤務先に退職の意向を伝える有料のサービス
- 2018年頃からメディアへの露出が増え認知が広まった
- 代行業者の運営母体は3タイプに分けれられる
運営母体ごとの特徴
3タイプあり、費用が高くなるほどサポート範囲が広まります。
退職代行業者の運営母体 | 費用相場 | サポート範囲 |
---|---|---|
民間企業 | 2~3万円 | ・本人の退職意思を代理で伝達する ・事務対応を行う ・交渉はできない |
労働組合 | 2,5~3万円 | ・本人の退職意思を代理で伝達する ・事務対応を行う ・未払給与、有給消化などの交渉ができる ・法的トラブルには対応できない |
弁護士 | 5~7万円 | ・本人の対象意思を代理で伝達する ・事務対応を行う ・未払給与、有給消化などの交渉ができる ・訴訟まで対応できる |
退職代行のニーズがある背景
なぜ退職サービスは近年普及しているのでしょうか。ニーズがある背景を確認しておきましょう。
退職を申し出ても執拗に引き留められる
退職の意思を示しても会社から執拗に引き留められるケースは一定あります。慢性人手不足のブラック企業などでは特に多いといえるでしょう。退職代行業者に毅然と対応してもらうことで、退職が成功します。
パワハラ上司が怖くて退職を言い出せない
パワハラ上司のいる環境では何を言っても否定されたり怒られたりするため、退職が怖くて言い出せません。
このような場合、退職代行業者に代わりに対応してもらうことが有効です。
自分で対応すると心身を悪化させてしまう
仕事が原因でうつ病になるなど心身に不調をきたしてしまった人は、会社と対応することで不調の悪化が予想されるため、なかなか退職を申し出られません。
自分の健康状態を守るために、退職代行を利用するのが望ましい状況があります。
退職代行を利用する人の実態
退職代行を利用する人の実態を、アンケート調査を踏まえて見ていきましょう。
実際の利用者は全体の3.7%
PR TIMESのインターネット調査によると、過去に退職代行を利用した事がある人は全体の3.7%という結果でした。
この結果、みなさんは多いと思いますか?思ったより少ないと思いましたか?
都市部の若年層で利用率・認知度が高い
別の実態調査によると、退職代行は東京都・大阪府・神奈川県といった都市部の20~30代の若年層で利用率・認知度が高いことがわかりました。
引用元:PR TIMES【退職代行利用者のアンケート調査結果を発表】4963人の利用者から明らかになった退職代行サービスの利用実態とは
勤続年数が短い人が利用する傾向がある
調査によると、退職代行は勤続年数1年以内の人の利用が約半数となっています。
職場になじめていない・上司と関係性ができていないなどで退職を言い出しにくい、孤立している人が利用する傾向があるといえるでしょう。
退職代行を否定的に感じる人はどの年代でも約半数いる
年代に関わらず約半数の人が退職代行の利用を否定的に感じていることもわかりました。本来は退職代行はのぞましくないという意識を、一定の人が持っていることが読み取れます。
退職代行を利用する上での注意点
退職代行を利用する上で気をつけるべき点が6点あります。
- 業者の良し悪しがある
- 費用のトラブルが起こりやすい
- 会社に悪い印象を与える
- 今後の転職に影響する可能性がある
- 自分や親に直接連絡が入ることがある
- 懲戒解雇や損害賠償のリスクもある
業者の良し悪しがある
退職代行サービスの業者は玉石混交です。十分な対応ができない業者であれば、代行に失敗し退職が叶わないこともあります。
交渉の必要が予想される場合は、交渉権のある組合や弁護士運営を選ぶのがベターといえるでしょう。事前にHPや口コミをチェックし、心配な要素がある業者の利用は避けることをおすすめします。
費用のトラブルが起きやすい
費用のトラブルが起きやすい点にも注意が必要です。
追加料金が発生し想定以上の費用がかかる、退職できなくても費用が返金されないなどのケースがあります。事前に追加料金の有無を確認したり、返金保証サービスがある業者を選んだりするのがベターでしょう。
会社に悪い印象を与える
退職代行を利用された会社側はよい思いはしません。
「なぜ」「本人と直接話がしたかった」という思いを抱え、癒えぬ傷として残ることもあります。急な退職にともない上司や同僚の業務量が増えるなど、周囲にも迷惑をかけることになります。
やむを得ない場合を除き、退職時には会社に対してできる限りの配慮を心がける必要があるでしょう。
今後の転職に影響する可能性もある
退職代行の利用が今後の転職先に影響する可能性もあります。
退職サービスの利用は個人情報のため周囲に公表されることはありませんし、離職票などにも利用の有無は記載されません。
とはいうものの、狭い業界や地域内で転職した場合、噂が広まる可能性はあります。うっかり行ったSNS投稿などから意図せず伝わってしまう可能性もあるでしょう。利用の前には、しっかり今後への影響について考えておく必要があります。
自分や親に直接連絡が入ることもある
代行業者が本人に連絡を取らないように伝えても、会社の判断で直接本人や親に連絡をしてくることもあります。
代行業者から連絡を受けた会社は「本当に本人の意思なのか」「一度しっかり本人と話がしたい」と考え、電話をかけてくるケースなどがあるのです。
利用するにあたって、想定しておいたほうがよいでしょう。
懲戒解雇や損害賠償のリスクもある
会社が退職を認めない場合に勝手に休み続けると無断欠勤とみなされ、最終的には懲戒解雇をされたり損害賠償を請求されたりするリスクもあります。
懲戒解雇されると退職金額が出なかったり今後の転職活動にも影響したりするため、リスクには十分注意しましょう。
退職代行を利用する前に心がけたい行動
退職代行は、ブラック企業やパワハラ、精神疾患で悩む人には有効活用できるサービスです。
しかし、退職代行の利用はやむを得ない場合を除き「最終手段」と考えるのが望ましいのではないでしょうか。
退職が心にちらつく時は、これからのキャリア人生をどう歩んでいけばよいのか、一度立ち止まって考えるチャンスでもあります。
安易に退職代行の利用を決める前に、キャリアの相談窓口を頼るなどして心の内を話してみるのもよいでしょう。
ひとりでは解決の糸口が見えない悩みも、キャリアカウンセラーに寄り添いながら傾聴してもらうことで、気づきが得られることは多々あります。
悩んだときに頼れる場所があることをぜひ知っておいてくださいね。