転職活動で何度も何度も失敗したけれども、やっと希望する会社の最終試験までたどり着くことができた!
これまでの努力が実ると嬉しいものです。
しかし、そこに立ちはだかるのが最終試験である「リファレンスチェック」。
はじめて聞くその言葉に、不安な気持ちが心を渦巻きます。
聞くところによると、リファレンスチェックは自分自身が試験を受けるのではなく企業が直属の上司や同僚に、私の評価を尋ねるとのこと。
自分でどうすることもできなさそうな最終試験、通過するにはどうすればいい?
今回は「リファレンスチェック」で悩む20代の転職者のため、絶対通過のポイントをこっそり解説します。
この記事を読めば、リファレンスチェックの事前準備の方法がわかるので通過率が飛躍的にUPします。
ぜひ最後までご覧ください。
リファレンスチェックとは、企業が求職者の現職や前職の上司や同僚と直接連絡を取り、勤務態度などを尋ねる採用試験です。
企業は求職者に対する第三者の客観的な意見を聞き、選考するか否かを判断します。
リファレンスチェックという言葉をはじめて聞く方も多いかもしれませんね。
また言葉は知っていても、
リファレンスチェックなんて外資系の企業で行う選考方法でしょう?
と思っている方も少なくないでしょう。
しかしそれは間違いで、今は日系企業もリファレンスチェックを採用試験に取りいれつつあります。
2021年1月、エンワールド・ジャパンは外資系企業及び、グローバルな日系企業303社を対象(うち外資系企業52%、日経企業48%)に「リファレンスチェック」に関するアンケート調査を実施しました。
出典:リファレンスチェックの実施率は4割以上 7割が「採用の判断に影響」と回答/エンワールドジャパン調査
その結果によると、全体の約41%が既に中途採用にリファレンスチェックを実施しているという調査結果が出ています。
リファレンスチェックを実施している企業の内訳は、
・外資系企業…58%
・日系企業…23%
となっています。
外資系企業よりも少ないですが、日系企業もリファレンスチェックを実施していることがわかりますね。
出典:リファレンスチェックの実施率は4割以上 7割が「採用の判断に影響」と回答/エンワールドジャパン調査
また303社のうち84%がリファレンスチェックを知っており、それぞれの企業の内訳は
・外資系…93%
・日経企業…73%
と非常に高い割合となっています。
このことから、リファレンスチェックを採用試験に取りいれる会社が増えていくことが予想されます。
転職を考えている方は、「自分には関係ない」と思わずリファレンスチェックのポイントを今から押さえておきましょう。
リファレンスチェックは求職者の個人情報を取り扱うことから、手間や時間もかかる採用試験の1つです。
そのため、最終試験として取り入れる場合がほとんど。
費用や時間をかけてまで、なぜ企業はリファレンスチェックをするのでしょうか。
それには次の3つの理由があります。
たとえ企業が希望する人材を獲得できたとしても、次のような予想外の事態が起きてしまうと、双方ともに後悔することになります。
・企業が求めるスキルや能力に求職者が届かない
・自分の能力と企業が求める能力に大きな違いがある
このようなミスマッチ採用を防ぐため、企業はリファレンスチェックを行うのです。
たとえば採用試験の書類選考や面接で
英語が使えます!
と求職者が述べたとします。
しかし限られた試験時間の中で、求職者が英語をどの程度使えるのか計るのはなかなか難しいものです。
とくに面接や筆記試験の場合、試験対策をしてきている人がほとんどなので、問題が見つかることは稀です。
ところが、いざ採用してみると実際に英語を使用したのは観光のときのみで、前職ではほとんど使っていなかったというケースも考えられます。
このようなミスマッチを防ぐのに、リファレンスチェックは役立ちます。
採用試験は時間が限られているので、求職者の人柄や仕事に対する姿勢などを知るのは難しくなります。
・チームで仕事をしていたか
・前職で残業はどれくらいしていたのか
・遅刻や欠勤などはなく真面目に業務に従事していたか
このような情報を求職者から聞いても、ポジティブな意見しか聞くことができないでしょう。
リファレンスチェックをすると、求職者に対する客観的な意見が得られます。
そのため、求職者の人柄や仕事に対する姿勢を確実に知ることができるのです。
求職者は企業から内定を得るため、採用試験では積極的に自分をアピールします。
そのため在職中に何か問題を起こしたり、無断欠勤や休職などがあったりした場合、履歴書や面接で言いにくいものです。
しかし採用する企業としては、求職者の前職での問題や休職の有無は採用前に知っておきたいもの。
リファレンスチェックをすることで、求職者が採用試験の時に
不利になるかもしれないから…
と伝えていなかった情報を知ることができます。
求職者を第三者目線で確認できるリファレンスチェックですが、大きくわけて2つのケースがあります。
・企業がリファレンス先を探す
どちらのケースでも、第三者から求職者に個人情報を聞き出すことになります。
そのため、求職者に同意を得ないままリファレンスチェックを実施することはありません。
ここからはこの2つのケースを詳しく見ていきましょう。
求職者がリファレンス先を選定し、企業に紹介するケースです。
この場合、求職者がリファレンス先を選ぶことができるので、事前に対策することができます。
リファレンスは通常、在職または前職の同僚や直属の上司、人事担当者などに依頼します。
企業がリファレンス先を探す場合、求職者は企業が誰に依頼してリファレンスチェックを実施するのか、知ることができません。
このケースの場合、リファレンスチェック前に資料を手渡しておくなどの対策するのは難しいでしょう。
しかし後ほど説明しますが、
・在職中の場合はリファレンス前に転職する旨を正直に伝える
この2つをリファレンス前にしておくことで通過する確率はぐっと上がります。
企業が現職または前職の上司や同僚と直接連絡を取るリファレンスチェック。
現職や前職の上司や同僚を操ることはできないので、求職者は何もできない…
と思っていませんか?
でもそれは実は間違いです。
リファレンスチェックを通過するためには、入念な前準備が必要となります。
ここからは、リファレンスチェックを通過するための5つのポイントをご紹介します。
最終試験を突破して、希望する企業に入社したい方はぜひ押さえておきましょう。
求職者自らがリファレンス先を探すとき、誰に依頼するか迷うもしくは、依頼する人が見つからない人が多いようです。
このようにリファレンスチェックを依頼されたときに悩むことがないよう、上司や同僚と信頼関係を築いておくことをおすすめします。
また、信頼関係を築くことは、リファレンスチェックのためだけでなく現職で仕事をスムーズに行うために必要なことです。
転職を考えている方は、今からでも遅くありません。
上司や同僚との信頼関係を築くために、積極的に話しかけるなどの行動を起こしてみましょう。
とはいえ、パワハラなどが横行している職場では、信頼関係を築くのが難しいこともあります。
その時は、転職希望の企業に相談し、お世話になっている取引先や人事担当者でも問題ないか確認してみましょう。
現職の上司や同僚にリファレンスチェックを依頼しようと思っているのであれば、転職する旨を事前に話しておきましょう。
転職する旨を話すと、上司や同僚から引き止められるかもしれません。
また採用試験に落ちてしまった場合、一緒に仕事をするのが気まずくなる恐れもあります。
しかしながら、転職を報告しないままリファレンスチェックをいきなり依頼されると、上司も同僚も良い気はしませんよね。
自分は信頼されていなかったのでは…?
と思い嫌な思いをする上司や同僚もいることでしょう。
さらにリファレンスチェックを企業から依頼されると、少なからず上司や同僚の手を煩わせることになります。
上司や同僚の繁忙期に重なってしまった場合、受けられない可能性もあるでしょう。
上司や同僚の仕事に支障をきたさないためにも、転職する旨とリファレンスチェックの予定があることを早めに伝えておきましょう。
上司や同僚が快くリファレンスチェックに応じてくれても、安心してはいけません。
先ほども言ったようにリファレンスチェックは、依頼された上司や同僚の貴重な時間をいただくことになるからです。
リファレンスチェックの方法は、電話もしくはレターのどちらかが一般的です。
どのような質問がくるのかは、わかりませんが上司や同僚が短時間でリファレンスチェックが完了できるよう、次の資料を準備しましょう。
・リファレンスチェックで想定される質問とその回答例
・転職するときに企業に渡した応募書類のコピー
・面接で聞かれた内容とその回答をまとめたもの
3つ揃えるのが理想的ですが、もし難しい場合は最低でも企業に渡した応募書類のコピーだけでも手渡せるようにしましょう。
またリファレンスチェックが終わった後は、上司や同僚に感謝の気持ちを述べるのはもちろんのこと、菓子折りなどのお礼も忘れずに。
求職者がリファレンス先を自ら選んだとしても、上司や同僚が良いことばかり言うとは限りません。
また採用試験で良いことばかり述べてしまうと、上司や同僚のリファレンスチェックとの差が大きくなり、選考に大きな影響を与えてしまうことがあります。
主観的に見た自分と第三者から見た自分に大差がないよう、実績やスキルは誇張表現せずに正直に伝えておきましょう。
無事に転職先が決まって、現職を退職するときは円満退職できるよう努めましょう。
全く別の業種に転職するとしても、今後現職と繋がる可能性はゼロではありません。
また円満退職しておけば万が一、再度転職するとなって、現職でのリファレンスの依頼が難しいときに、前職の上司や同僚に協力を仰げます。
たとえ職場環境が悪く、不満を持っていたとしてもそこはぐっとこらえて、粛々と引継ぎや退職手続きをすすめていきましょう。
リファレンスチェックで企業が上司や同僚に尋ねる内容は、最後まで求職者に伝えられることはありません。
しかし業種によって多少違いがありますが、採用試験で尋ねられた内容の最終チェックであることが推測されます。
ここからは、リファレンスチェックで想定される質問内容を3つのカテゴリーにわけてまとめました。
上司や同僚にリファレンスチェックをお願いするときの資料作成に、ぜひ活用してください。
勤務態度・コミュニケーション能力について、求職者の書類や面接で話した内容に大きな差や偽りがないかをチェックします。
・(書類に書かれている)役職・仕事内容・実績に誤りはないか
・在職中に何か問題を起こしたことはないか
・遅刻や欠勤などの頻度
採用試験で知ることができない、生の情報を企業はリファレンス先で求めます。
求職者の人柄について、客観的な意見を聞きます。
・求職者は周囲と上手くコミュニケーションを取れていたか
・求職者と機会があればまた一緒に働きたいと思うか
求職者の仕事に対する姿勢を聞かれることが多いでしょう。
採用試験の書類や面接ではわからない、一緒に働いた第三者から見た求職者の長所や短所、マネジメント能力をチェックします。
・(求職者は)問題解決能力があったか、具体的なエピソードがあれば教えて欲しい
・部下の教育はできていたか
先ほども説明しましたが、前職を退職するときに揉めてしまった場合、上司や同僚からの印象はどうしても悪くなってしまいます。
そのため、前職の仕事で実績を残していたとしても、リファレンス時に正当に評価されないことも。
そうならないためにも、前職を退職するときは誠意を持って対応・手続きをするようにしておくことをおすすめします。
リファレンスチェックは、求職者の個人情報を聞き出すことになるので、求職者の同意がなければ実施することができません。
そのため、リファレンスチェックは拒否できます。
ただし、リファレンスチェックは採用試験の1つです。
他の求職者がリファレンスチェックに同意している場合、選考で不利になってしまう恐れがあります。
また企業の中には、リファレンスチェック重要視しているところも少なくありません。
希望する企業から内定を獲得したいのであれば、リファレンスチェックは拒否せずに素直に受けることをおすすめします。
リファレンスチェックは、自分だけでなく現職や前職の上司や同僚を巻き込む大掛かりな採用試験となります。
第三者から見た自分の評価だから、自分にはどうすることもできない…と思い込むのは大間違い!
・転職する旨を事前に伝える
・リファレンスチェックの依頼をする
・リファレンスチェックがスムーズに進行できるよう資料を作成
上司や同僚の仕事に支障が出ないよう、しっかりと事前準備をしておきましょう。
事前準備をしっかりした上で、上司や同僚に協力をお願いすれば、手間や時間がかかることが予想されても、快く受けてくれるはずです。
さらにカンペのような資料を用意すれば、上司や同僚もリファレンスチェックへの心構えができます。
そして、リファレンスチェックに協力してもらった上司や同僚には、結果がどうであれ、しっかりと感謝の気持ちを伝え、お礼をしましょう。
マナーをきちんと守れば、たとえ期待に沿わない結果だとしても、これからも現職で気兼ねなく働くことができます。
リファレンスチェックは今後、多くの企業で実施されることが予想されます。
ポイントをしっかりと押さえて、悔いのない転職活動をしましょう。