「今は、仕事が楽しいけど、いずれは子どもも欲しいし、今のうちに転職しようかな」
「仕事と妊活・不妊治療を両立するのは大変って言うけど、仕事と両立できる転職先はどうやって選べばいいんだろう?」
そう悩んでいる人はいませんか?
NPO法人Fineの調査によると、96%の人が「仕事と不妊治療の両立は難しい」と答えており、仕事と不妊治療を両立するには会社の理解が不可欠です。
また、出産にはタイムリミットがあります。年齢上がれば上がるほど卵子の質は低下し、35歳で出産した場合、何らかの障害をもった赤ちゃんが産まれる確率は1/192、29歳以下であれば約1/400と確率がぐっと上がります。(参考:厚生労働省HPより)
つまり、将来的にキャリアアップも子どもも望むのであれば、出産の年齢的なタイムリミットを考慮して、今から職場環境を見直すことも必要になってくるでしょう。そこで本記事では、妊活・不妊治療をみすえた転職先について、選ぶ時のポイントを解説していきます。
この記事を読めば、キャリアも子どもも諦めない転職先の選び方がわかり、転職の一歩が踏み出せますよ。ぜひ参考にしてみて下さい。
妊活・不妊治療と仕事の両立が難しい理由とは?
なぜ、不妊治療と仕事の両立が大変と言われるのでしょうか。
不妊治療は通院する回数も多く、卵子の成長具合によって治療のスケジュールが決まります。つまり、突然「明日採血に来てください」などと言われることが多く、急に仕事を休まなければなりません。
また、治療によっては、毎日注射に通わなければならないこともあります。治療が大変なことはもちろんのこと、「仕事を休まないといけないから職場の人に申し訳ない」「職場の上司や同僚の理解が得られない」など精神的な負担も大きく、退職せざるを得なくなった人が多数存在するのが実情です。
ここだけは、おさえるべき妊活・不妊治療をみすえた転職先を選ぶポイントとは?
仕事と妊活・不妊治療を両立させるために、新たな職場環境に変えることは一つの方法です。しかし、どんな職場環境を選べばいいのかわからない人も多いはず。そこで次は、妊活・不妊治療をみすえた転職先を選ぶポイントについて解説していきます。このポイントをおさえて、あなたにぴったりな会社を見つけていきましょう。
できるだけストレスが少なく働ける環境であること
女性ホルモンは、非常にストレスに弱く、少しのストレスでもホルモンが乱れることがよくあります。つまり、妊活・不妊治
療を順調にすすめるためには、できる限りストレスを最小限にすることがとても大切です。
「人間関係が良好である」「職場の理解が得られやすい」「従業員それぞれの事情に合わせた働き方を推奨している」など、できるだけストレスの少ない環境で働けることは、とても重要なポイントなのです。
不妊治療による通院や体調不良にも柔軟に対応してくれるか
福利厚生で不妊治療のサポートがあったり、働き方をリモートワークに切り替えるなど不妊治療に理解を示してくれる会社も増えてきています。
会社内に不妊治療に対する福利厚生がなくとも、有給休暇を快く消化させてくれる職場風土があるかどうかは、転職先を選ぶ上で重要なポイントとなります。
最近では、厚生労働省が発行している「不妊治療連絡カード」を提出することで、以前に比べて仕事の調整や配慮をお願いしやすくなりました。
妊娠・出産・育児に理解があるか
妊活や不妊治療は、妊娠することがゴールではありません。その先には出産・育児が待っており、出産後職場復帰したあとにも、社員の育児に協力的な職場であるかどうかは重要です。
例えば、「つわりで通勤が困難」「切迫早産で自宅安静が必要」「保育園に入れず育児休暇を延長しなければならない」「急な子供の発熱で休まなければならない」など、さまざまな困り事が出てきます。
そんな時に快く対応してくれる会社は、妊活・不妊治療をみすえているあなたとっては、とても良い会社と言えるでしょう。
転職後に妊活・不妊治療を考える人におすすめな会社の特徴とは?
では、実際にどんな会社がおすすめなのか、「会社の特徴」について解説していきます。
出産後も復職している女性社員が多く、育児にも協力的な会社
直属の上司が、妊活・不妊治療・出産・育児経験者であれば、理解は得られやすいでしょう。
しかし、必ずしもそういった上司のもとに配属されるとは限らないため、社内全体の女性社員が、出産後どれくらい復職して働き続けているか確認しましょう。出産後復職している割合が高ければ、出産後も働きやすい環境であり、育児にも協力的な会社である可能性が高いと言えます。
有休消化率の高い会社
有休消化率が高い会社は、妊活や不妊治療による通院や急な体調不良にも対応が可能であり、出産後の急な子どもの発熱にも柔軟に対応してくれる環境である確率も高いです。
転職先の会社が、従業員一人あたりに年間何日有給休暇が与えられ、それを消化している割合がどれくらいかは確認しておきましょう。
産休・育休の取得率の高い会社
最近では、男性の育児休暇を推奨する会社も出てきており、社会全体で子育てを応援しようという風潮が高まっています。
とは言え、まだまだ女性であっても産休・育休が取りづらい会社もあります。女性社員の産休・育休取得率が高く、男性社員が育休を取得できている会社であれば、なおのこと職場の理解が高い会社であると言えます。
フレックスタイム制やテレワークが充実している会社
妊活や不妊治療のために通院や体調不良があっても、フレックスタイムやテレワークが選択できれば、仕事を完全に休まずにすむこともあるでしょう。
多様な働き方が選択できる会社であれば、妊活や不妊治療を両立できる可能性も高まります。また、テレワークができれば、復職後の急な子どもの発熱などにも仕事を休むことなく対応ができます。
多様な働き方を認める風土がある会社は、女性のさまざまなライフイベントの変化にも柔軟に対応してくれるはずです。
時短勤務が利用できる期間が長い会社
日本の法律では、「育児短時間勤務は子どもが3歳まで可能」とされています。しかし、会社によっては、「小学校就学まで可能」場合によっては「中学校就学まで」としている会社もあります。
妊娠・出産後もキャリアを積み上げ、子育てしながらも働き続けたいのであれば、復職後に取得できる制度がどのようなものがあるのかは事前に確認しておきましょう。
これらの特徴を参考に転職先を探せば、子育てをしながらも長く働くことができ、キャリアアップも描けるでしょう。
出産のタイムリミットから考える転職のタイミングとは?
では次に、出産のタイムリミットから考える転職のタイミングについて解説していきます。
年齢に伴う出産のタイムリミットについて
冒頭でも少し述べたように、卵子の質の低下が著しい35歳以降は、「妊娠率の低下」「流産率の上昇」「赤ちゃんが何らかの障害を持って生まれる確率の上昇」「妊娠に伴う合併症を発症するリスクの上昇」などいろいろな問題が出てきます。
35歳以上で妊娠している人は、世の中にはたくさんいますが、その裏で授からずに悩んでいる人も多く存在します。年齢的な出産のタイムリミットは、確実にあるのです。
転職後に注意しておきたいこと
それでは次に、転職後に注意しておきたいことについて解説していきます。
転職のタイミングによっては育児休業給付金や育児短時間制度が取得できない可能性がある
育児休業給付金の受け取り対象は、「雇用保険の被保険者であること」と「育児休業開始前の2年間で11日以上働いた月が12ヶ月以上ある人」が対象です。
つまり、前職を退職して一時的に仕事をしなかった期間があり、転職してすぐ妊娠した場合は育児休業給付金が取得できない場合があります。
また、「勤続年数が1年以上ないと会社の育児短時間制度が使えない」など、会社独自のルールがある場合があるので、転職する前に確認しておく必要があります。
自治体によっては、勤続年数が短いと保育園入園が不利になる可能性がある
出産後も仕事を続け復職したいのであれば、保育園の入園は必要不可欠です。
保育園の入園は、加点方式で希望園が決まります。「勤続年数1年以上であれば加点をする」など、自治体それぞれで加点方式が違うため、あなたの自治体がどのような加点方式なのかも確認しておくほうがより良いでしょう。
まとめ
この記事では、「妊活・不妊治療をみすえた転職先」「転職先を選ぶべきポイント」について解説してきました。ここで、おさらいしておきましょう。
<妊活・不妊治療をみすえた転職先を選ぶポイントとは?>
- できるだけストレスが少なく働ける環境であること
- 不妊治療による通院や体調不良にも柔軟に対応してくれるか
- 妊娠・出産・育児に理解があるか
<転職後に妊活・不妊治療を考える人におすすめな会社の特徴とは?>
- 出産後も復職している女性社員が多く、育児にも協力的な会社
- 有休消化率の高い会社
- 産休・育休の取得率の高い会社
- フレックスタイム制やテレワークが充実している会社
- 時短勤務が利用できる期間が長い会社
最近では世間でも「仕事と不妊治療の両立が難しい」ことが問題として取り上げられ始めています。不妊治療が一部保険適応になったように、今後はキャリアアップをしながらも不妊治療を両立させるための方策も国レベルで検討が始まるかもしれません。
もし今の職場が、妊活・不妊治療をみすえた時に、両立が難しく、職場からの理解が得られなさそうな環境であれば、転職も考えてみるのも良いでしょう。
今回紹介したポイントを参考に、あなたがキャリアも子どもも諦めない人生を歩める転職先をぜひ見つけてくださいね。